2020年4月24日金曜日

タイヤとサスペンションの役割分担

サスペンションについては何の知見もありませんので単なる素人の思い付きでしかないのですが、なぜ第7世代車のタイヤのサイドウォールが柔らかいのか推測してみました。

サスペンションは上下方向にストロークするものですが、車は前方に向かって進んでいる以上、路面の突起による入力は前方からの衝撃として入ってきます。しかるに上下方向に動くサスペンションではその力を受けきれませんし、なまじ力を後ろに逃がすようなサスペンションセッティングにすると入力が遅れて伝わって揺れが収束せずにふわふわします。

一方タイヤは変形しますので、前方からの力を吸収して凹んだ後でタイヤの復元力によって前からの力を下からの力へと変換してサスペンションに力を伝達することになります。上向きの力であればサスペンションが吸収することができます。そうなるとサスペンションは上下方向の調整に専念できることになり、ボディーの剛性を高めたりサスペンションセッティングを硬めにしたりできるようになります。

CX-30の方がMazda 3よりも乗り心地に関して評判が良いのは、車高が高くてサスペンションのストローク量が多いからと言われていますが、タイヤの扁平率が16インチで65%、18インチでも55%とMazda 3(16インチで60%、18インチで45%)よりもタイヤのエアクッションが効いているのもあるかもしれません。突き上げは前方からの衝撃なのですから、単にサスペンションの上下のストローク量が多いだけではあまり意味がないのではないでしょうか。

サイドウォールの柔らかい専用設計タイヤを導入するよりも最初から扁平率の高い市販タイヤを履いた方が操縦安定設計は楽なはずなのですが、どうして215/45R18なんて扁平なタイヤにこだわるのかよくわかりません。操縦安定設計の考え方を見直すにあたって、そこは見直さなかったのでしょうか。