2020年5月27日水曜日

Mazda 2ガソリンエンジン車とヤリス1.5Lガソリンエンジン車の燃費の比較

ヤリス1.5Lは新型のダイナミックフォースエンジンと発進段付きのダイレクトシフトCVTを積んでいますので、WLTC燃費が優れているのではないかと思ってMazda 2のWLTC燃費と比較してみました。対象はFFのAT車です。

【Mazda 2 15S】
1060kg
平均:19.0km/L
市街地:15.2km/L
郊外:19.4km/L
高速道路:20.9km/L

【ヤリス 1.5L G】
1000kg
平均:21.4km/L
市街地:15.7km/L
郊外:22.6km/L
高速道路:24.1km/L

こうして数字を見比べてみるとヤリスの燃費の良さが際立ちます。Mazda 3とカローラツーリングとの燃費を比較したときと同様に、市街地モードではさほど差がありませんが、郊外や高速道路では差がついています。

車体の軽さもさることながらCVTの効率とエンジンの熱効率が効いているようです。CVTは高速域で動力伝達効率が悪いと言われていますが、実際にはCVTの方が6ATよりもレシオカバレッジが広い分だけ高速域でエンジン回転数を落とすことのできる効果の方がまさっているようです。コストや重量を考えるとこのクラスでは6ATで精いっぱいなのかもしれませんが、高速道路巡航中にエンジン回転数が高いのはどうにかならないものでしょうか。

エンジンについてはSkyactiv-Gの熱効率が38%に対してダイナミックフォースでは41%とのこと。特殊な仕掛けがあるわけではなく、普通の自然吸気エンジンなのにSkyactiv-Xに匹敵する熱効率なのは大したものです。ダイナミックフォースエンジンは熱効率重視の超ロングストロークエンジンですが、高回転まで回ることで出力を稼いでいるようです。3気筒で熱効率で有利ということもあってトルクもMazda 2のエンジンよりも少しまさります。また、Mazda 2のタイヤが185/65R15なのに対してヤリスのタイヤは175/70R14タイヤと細くてホイールが軽い、すなわちばね下重量が軽いというのも効いているのではないでしょうか。見た目のためにホイールをいたずらに大きくするのはいい加減やめにしてほしいものです。

Mazda 2の燃費を良くしようとしたら4-2-1排気管をつけて圧縮比を13に上げるくらいでしょうか。あとは燃費やパワー感以外の魅力を訴求できるかでしょうね。将来的にはSkyactiv-Xの性能とコストがこなれてきて、普通の値段で1.5LのSkyactiv-XをMazda 2に積めればよいのですが、その頃にはトヨタのパワートレーンももっと先へ行っているでしょう。

ちなみに旧来のCVTとエンジンを積んでいるヤリスの1Lエンジン車はというと、

【ヤリス 1L G】
970kg
平均:20.2km/L
市街地:15.3km/L
郊外:21.8km/L
高速道路:22.4km/L

市街地の燃費はMazda 2とほぼ同じですが、旧型のCVTを積んでいてローギアードで高速道路で不利な割には、郊外や高速道路でなかなか健闘しています。車体の軽さが効いているのでしょうか。ヤリスの1.5Lエンジン車よりも劣るのはパワートレーンが古かったり低速向けのセッティングだったりしますから仕方ありません。街乗り限定なら燃費の差はさほどありませんし、何よりも車両価格が安いので、近所の買い物用の車としてならこれでもよいのかもしれません。

もちろん実燃費はまた別の話ですが、それは乗ってみないとわかりません。機会があればレンタカーでヤリスに乗ってみたいものです。