2016年2月11日木曜日

停止時の揺り戻し

納車から9ヶ月ほど経過した頃から、停止時の揺り戻しが気になるようになりました。ちょうどその頃i-DMが4th Stageになって判定が厳しくなったというのもあるかもしれませんが、納車直後にはきれいに止まれる車だと感心していましたので、やはり車の側に何らかの変化があったのではないかと考えています。

車の側の変化としてすぐに思い当たるのはタイヤがすり減ったことと、サスペンションがなじんできてよく動くようになったことです。まずタイヤに関しては、タイヤを交換した直後や、タイヤローテーションの直後は比較的止まりやすいのですが、しばらくすると停止時に白点灯しやすくなります。タイヤがすり減ることで主に前輪の制動力が落ちるためではないかと推測するものの、あいにくそれがどのようなメカニズムによって揺り戻しに結びつくのかについての知見を持ち合わせていません。もし前輪の制動力の低下によって前のめりになるとしたら、前輪の制動力に合わせてブレーキを踏むことで後輪がロックしているときではないかと考えるのですが、しかし果たして市販のFF車の標準的なセッティングにおいて後輪がそんなに簡単にロックするものなのか疑問です。

次にサスペンションについてですが、たしかに納車直後はサスペンションがあまり動かず、突き上げが強かったです。4000kmを越えた辺りから次第にサスペンションが馴染んできて乗り心地が良くなりました。外から停止時の状態を見てみると、一旦車体が数cmほど前のめりになってから元の位置に戻るのがはっきりと見て取れます。人間の感覚からすれば結構大きな動きです。本当にこのサスペンションセッテイングでよいのか疑問です。停止時の揺り戻しもさることながら、本来減速時には前輪にかかっていなければならない荷重が前方に抜けているわけで、それだと前輪のグリップ力が減少して曲がりにくくなります。

サスペンションについてはほとんど全く知見を持ちあわせていませんので、素人のいい加減な想像でしかないのですが、引張荷重に対してフロントサスペンションの減衰力が弱すぎるのではないでしょうか。前方向への車体の慣性力を下方向への前輪への荷重に変換するためには、ピッチングの回転中心が本来はかなり前方の地面に無ければならないはずなのに、フロントの減衰力が過小になることでフロントとリアの減衰力のバランスが崩れて、回転中心が後ろにずれているのではないでしょうか。最初からそのようなセッティングにしているはずはありませんので、開発時に想定されなかったダンパーの経年変化によるものなのか、あるいは前述のように前輪タイヤの摩耗によるものでしょうか。

サスペンションについては素人が悩んでもどうしようもありませんので、まずはきちんと5000kmおきにタイヤローテーションを実施して前後のタイヤの摩耗を均一化した上で、当座は運転で対処するしかないのですが、だいぶましになったとはいえ、まだ白点灯させてしまうときがあります。

一番簡単なのは停止時の減速度を下げることです。最初は軽くブレーキを踏んでそれから徐々にブレーキを強めていって数m手前で止まるつもりで強めにブレーキをかけて、速度が下がったら徐々にブレーキを緩めて減速度を落とし、車が自然に停止するように持ち込むと比較的きれいに止まりやすいですし、減速時にi-DMが青点灯しやすいです。加速時にアクセルを徐々に踏み込んでいくのと逆の動作をするわけです。

常にきれいに止まれると言い切れないのは、まだ完全にコントロールしきれていないからです。あまりゆっくりとブレーキを抜いていると時折停止直前にアイドリングストップでエンジンが停止してしまい、一瞬だけ減速度が増大して白点灯します(DPF再生中やエンジン温度が低い場合にはアイドリングストップがかかりませんので、止まりやすくなります)。かといってブレーキを抜きすぎるとなかなか止まりません。アイドリングストップがかかるブレーキの踏み込み量がもう少し大きくなると楽なのですが。

また、制動距離が不足すると、いざブレーキを緩めようとした際に前車との間隔が不足してそれ以上前に出られなくなって、白点灯します。制動距離が不足するのは、ブレーキの踏み始めが遅いか、途中でのブレーキの踏み込みが甘いときです。停止時に白点灯させてしまうケースの大半がこれです。