2016年2月4日木曜日

アクセラ1.5Lのリアサスペンションがトーションビームだったらという妄想

アクセラ1.5Lは決して速くはありませんが、日本の公道で街乗りする分には走りに特に不満はなく、むしろ重量と排気量の割には意外と走る印象があり、しかも同じ車格の他の車よりも割安感があります。そのためかどうか知りませんが、日本では先代に引き続き1.5Lが売れ筋のようです。どうせ日本の公道で速い車に乗っても他の車が邪魔に感じるだけですので、それならばむしろ他の車と同じくらいゆっくり走る方が幸せなのではないかという気すらします。しかし巷では非力だという評価が支配的なようです。

だったら軽くすればもっとよく走るのではないかということで、リアサスペンションをマルチリンクからトーションビームに変更して100kgほど軽量化したらどうなるだろうかという妄想です。今やゴルフの廉価グレードはトーションビームですし、マツダはCX-3開発時にトーションビームサスペンションの入念なチューニングをしましたので、必ずしもトーションビームだからどうとかマルチリンクだからどうとかいうわけでもなく、できの良いトーションビームはできの悪いマルチリンクよりも乗り心地が良いのではないかという気もします。

まず数字を拾ってみると、アクセラ1.5Lの前輪への荷重は760kg、後輪への荷重は500kgですので、後輪への荷重が100kg軽くなると400kgになります。合計で1160kgであり、デミオディーゼルよりも少し重い程度、デミオガソリンエンジン車の4WDと同じくらいの重さです。若干フロントヘビーな印象がありますが、前輪の荷重は65.5%とアクセラXDと同じくらいで、デミオディーゼルほどフロントヘビーではありません。パワーウェイトレシオは1260kg/111ps=11.35kg/psから1160kg/111ps=10.45kg/psまで改善します。デミオディーゼルよりも良い数字で、アクセラハイブリッドと同じ位の数字です。

ではこの100kg軽くなったアクセラ1.5Lをどういう用途で使うのかと考えてみると、現状の問題点は主にローギアードであるがゆえの高速道路でのエンジン回転数の高さではないかと思います。高速道路で追い越そうとすると絶望的に加速しません。非力だといってもシフトダウンしてエンジン回転数を上げれば日本の公道を走るのに支障ない程度のパワーを絞り出すことはできます。ただそういう走り方は短時間なら楽しめる反面、長距離を走ると疲れます。そこで最終減速比を少し下げれば、日本の高速道路の速度域くらいでしたら楽に走れそうです。街乗りだけでなく高速道路を法定速度で走る程度なら特にストレスなく走れる車であれば、日本の公道を普通に走る分には十分でしょう。

そもそもアクセラにあってデミオやCX-3に無いものは何かといえば、広いとまではいかないもののさりとて狭くもない後席と荷室だと思います。となると後席や荷室に荷重がかかる前提で考えれば良くて、大人2人と荷物の荷重(約100kg程度)が後輪にかかれば、さほどフロントヘビーにならず、リアサスペンションに適度に荷重がかかることで乗り心地も良くなるのではないでしょうか。

リアサスペンションがトーションビームになることの影響については、アクセラ1.5Lはもともとそんなに激しく走ることが想定された車ではなく、日常の足としての用途が主ですので、左右非対称の大きな凹凸を越える場面はあまりありませんし、日本の公道は規格が低いとはいってもそれは勾配や曲線が多いとか見通しが悪いとか車線が狭いとか生活道路と幹線道路の分離が徹底していないとか軽車両や歩行者との分離が徹底していないとか右左折レーンが少なくて詰まりやすいといった設計上の制約のことであって、道路の大半は舗装されていますし、路面もさほど荒れていませんので、時速100kmくらいまでならあまり問題にならないのではないかという気がします(今のアクセラ1.5Lだと普通の国産コンパクトカーと同様に時速80kmを越えるとつらくて、高速道路ではDJデミオのガソリンエンジン車に負けています)。

リアサスペンションの変更に伴い多少乗り心地が悪化することがあっても、全体のバランスは改善するのではないかと思えます。では自分が乗りたいかと問われるとあまり自信がありませんし、まだ実在しない車のことを想像するのは難しいですが、カローラ以上インプレッサ未満で、もし普段使いで乗り心地に不満が無ければこれはこれでありかなという気はします。軽くなればその分燃費も良くなりますし。コストが下がる分、今より少し安くなって乗り出し200万円を切ればお買い得だと思います。

リアサスペンションを軽くした分とコストが下がった分の余裕を1.5Lディーゼルエンジン搭載に振り向けると、ちょうどCX-3と同じくらいの重量になりますので、パワーは小さめですしフロントヘビーではあるものの、CX-3と同じくらいには走る車になりそうです。CX-3よりもアクセラの方が後席と荷室が広いので、ファミリーカーとしてはむしろ実用的ではないでしょうか。

【追記】
なんと4代目アクセラはトーションビームになるようです。アテンザ以上がFR化するという噂がある中、FF車はトーションビームに一本化するのでしょうか。