2021年6月24日木曜日

Mazda 2の改良型エンジンの燃費比較

まずは同じ圧縮比14でハイオク指定の15MBとの比較から。

WLTCモードの全体、市街地、郊外、高速道路の順(以下同様)で

15S Proactive MT(レギュラーガソリン 1060kg):20.2, 16.7, 20.5, 22.0

15MB MT(ハイオク 1040kg):20.2, 16.3, 20.7, 22.1

平均燃費は同じですが、市街地モードではレギュラーガソリン仕様が有利、郊外と高速道路ではハイオク仕様が有利です。ちなみにパワーもトルクもハイオク指定の15MBの方が上です。15MBの方が若干ローギアードな割に、高速道路では15MBの方が燃費が良いです。高速道路ではパワーに余裕がある方が有利なのでしょうか。

次はトヨタヤリスとホンダフィットとの比較です。なるべく重量が近いものやホイールサイズが同じものと比較するようにしました。新型ノートはシリーズハイブリッド車しかないため、比較の対象に含めません。

Mazda 2 6AT 1090kg:20.3, 16.5, 20.4, 22.5

ヤリス 1.5L CVT 1020kg:21.6, 16.1, 22.9, 24.3

ヤリス 1L CVT 940kg:20.2, 15.3, 21.8, 22.4

フィット 1.3L CVT 1090kg:20.2, 15.5, 21.0, 22.6

Mazda 2 は今回の燃費向上でやっと旧来のエンジンを採用しているヤリス1Lやフィットに追いつきました。150kg軽いヤリス1Lと同等の燃費なのは大したものです。しかしダイナミックフォースエンジンを積んでいるヤリス1.5Lとの比較では、70kgほどの重量差を考慮してもまだ劣ります。Mazda 2は市街地モードの燃費では健闘しているのですが、比較的速度域の高い郊外モードや高速道路モードの燃費で負けているために平均値ではヤリス1.5Lに差をつけられています。ヤリス1.5LはエンジンだけでなくCVTも1Lモデルよりも新しい発進用ギア付のものを積んでいますので、そこでも差がついているのかもしれません。

Mazda 2はエンジン単体の熱効率では負けていないように見えますが、変速機のレシオカバレッジが劣るせいで高速燃費で負けているように見えます。高速域でエンジン回転数が上がる一方の6ATでは機械損失が増大して燃費が悪化します。実際、Mazda 2の6MTとダイナミックフォースエンジンを積んだヤリス1.5Lの6MTとの比較は以下の通りです。

Mazda 2 Proactive 6MT 1060kg:20.2, 16.7, 20.5, 22.0

ヤリス1.5L 6MT 990kg:19.6, 14.7, 20.3, 22.3

低速域での燃費はMazda 2の方が圧倒的に良いですし、高速域の燃費もほとんど見劣りしません。重量差を考慮すればむしろ健闘しているともいえます。エンジン単体でダイナミックフォースエンジンに負けていないとしたら、やはりCVTで差をつけられています。

高速域・高回転域の燃費を改善しようとしたら、低速域でのモーターアシストを前提に最終減速比を下げてハイギアードにするか、トルクバンドのピークが広くなるのに合わせてギアをワイドにするか、あるいは気筒休止で高回転域でのポンピングロスを低減するかが必要でしょう。もっとも、街乗り主体でたまにしか高速道路に乗らないBセグメント車でそこまでして高速燃費を改善する動機がないというのもあるかもしれません。市街地モードで燃費が良ければトータルの燃料コストでは有利なはずです。