2024年12月8日日曜日

代車でMazda 2に乗りました

代車では普段乗れない車に乗れますのでいつも楽しみにしています。今回の車検の代車で新型プリウスやインプレッサに乗れればいいなと楽しみにしていましたが、Mazda 2でした。これはこれで勝手知ったる車で扱いやすいですが。

車検証を見たら2021年登録でレンタカーグレードですので圧縮比12の従来型です。マツダのガソリンエンジンは冷温始動時には音がうるさいです、Mazda 3は遮音がしっかりしていますのでそんなにうるさくないのですが、Mazda 2や先代のBMアクセラのエンジン音はうるさいです。マツダコネクトは第1世代のもので、今となっては解像度が低く画面の中の情報量が少なく感じますが、唯一の利点はタッチパネルが使えるため文字の入力が楽なことです。Mazda 3のマツダコネクトのディスプレイは運転者の側を向いていますが、第一世代のマツダコネクトのディスプレイはまっすぐ向いていますので、運転席から見ると少し見づらいです。同乗者にはこちらの方が見やすいですが。

1.5Lエンジンですのでパワーに余裕があるはずですが、発進時にもたついてアクセルを強く踏むと急に飛び出しました。ブレーキペダルは少し踏んだだけで強く効くカックンブレーキと感じましたが、Mazda 2はもともとそんな車ではなく、単に普段乗っているMazda 3のブレーキがある程度踏力をかけないと効かないブレーキですので、それと比べると踏みはじめで効きすぎると感じるだけです。ステアリングはセンター付近で引っかかるような感触でした。電動パワステの制御が良くないのでしょうか。Mazda 3以降の第7世代車が出てからは第6世代車の粗が目立ちます。

高速道路ではパワーに余裕があり、追越加速も問題なし。クルーズコントロールのついていないレンタカーグレードでしたので高速道路も手動運転でしたが速度のコントロールは特に苦にならず。高速道路で楽に走れるならMazda 2でもいいかなという気になってきます。Mazda 2に乗ると高速道路で楽に走れるときと高速道路で厳しいときとがあるのですが個体差でしょうか。

乗り心地は比較的良いですが、15インチホイールだからか車体がフワフワします。デミオの頃から15インチホイール車で高速道路を走るとフワフワしますので、もともとそういう車なのですが。街乗りならバネ下重量が小さくて出足の軽い15インチホイールの方が有利ですが、高速道路で長距離走るなら16インチホイールの方が有利だと思います。

小さい車は座席と座席との間の空間が狭いですが、運転席のシートの大きさは他の車と変わりありませんし、Mazda 2のシートは座り心地も良好です。マツダ車は小さくてもドライビングポジションに無理がありませんので一人で乗るなら小さくてもよいかなという気がします。

燃費については、高速道路を走り続けているうちに23km/Lを超えましたが、渋滞があったり一般道でゆっくり走ったりしていましたので全体としては20km/L程度。さすが軽い車体と1.5Lエンジンとの組み合わせだけあって、ガソリンエンジン車であっても燃費は良いです。

多少のことに目をつぶれるならMazda 2でもよいかなと思って代車を返却してMazda 3を引き取ったのですが、いざ乗ってみると動的質感が全然違います。内外装の質感の違いや静粛性の違いは車格相応ですが、むしろMazda 2を運転していて気になった部分がMazda 3では気になりません。Mazda 3は1.5Lエンジン車でも同様ですので、Mazda 3の1.5Lエンジン車はコストパフォーマンスが良いと思います。その代わり昔に比べて高くなりましたが。

Mazda 2の前身であるDJデミオが出たときにはコンパクトカーの常識を打破するということを標榜しており、たしかに当時の国産Bセグメント車の中では内装も走りに質感も良く、1年先に出たBMアクセラを食いに行く勢いでしたが、Mazda 3が出たときにMazda 2を引き離した一方で、Mazda 2はモデルチェンジしていませんので、差がついたままです。できればMazda 3の良さを取り込んだうえでMazda 2のサイズにしたものを出してほしいところですが、今のマツダの体力で利幅の薄いBセグメント車を開発するのは厳しそうです。欧州向けMazda 2と同様にヤリスハイブリッドに相乗りして顔だけ変えるのが現実的なのかもしれません。日本でもディーゼルエンジン車がなくなりましたので、その穴を埋めるべく日本でもヤリスハイブリッドのマツダ版を出してほしいところですが、日本でヤリスハイブリッドを欲しがる顧客は最初からトヨタディーラーで買うでしょうから、日本でヤリスハイブリッドのOEM版を出す動機が乏しいのかもしれません。

2024年11月4日月曜日

Mazda 3の良いところ

Mazda 3に乗り続けているとラージプラットフォームの混乱とは無縁でいられます。とかく癖のある車ではありますが、良い面もありますので、これを機に見直されてほしいものです。

1.変速機が異音を発しない

FF車用の6速ATは2010年に登場したものですので技術的に枯れています。

横置きでは6速までが限度とされてきたため、最近はレシオカバレッジでCVTに負けており、高速域の燃費ですらCVTに負けるという情けないことになっていますが、欧州車で徐々に8速ATが出回っており、トヨタもFF車用の横置きの8速ATを開発しましたので、そろそろ8速ATになってもいい頃かなとは思うものの、マツダが開発するとFR車用の縦置き8速ATがベースになるでしょうから、ここは思い切ってトヨタから買ってほしいものです。

2.サスペンションの品質問題がない

フロントのストラットもリアのトーションビームも技術的に枯れていますので、品質問題がありません。

第7世代になってスモールプラットフォームのリアサスペンションがトーションビームになりましたが、曲がる性能は良好です。リアサスペンションに不自然なトーインがありませんので素直に曲がることができ、FF車なのに気持ちよく曲がれます。ガソリンエンジン車ならノーズが軽いのでなおさらです。駆動と操舵を担うフロントサスペンションは硬めですが、リアサスペンションはそこまで硬くありません。

3.走行距離が増えると乗り心地が落ち着いてくる

Mazda 3は新車時にはあまりにガタガタして「こんな車で長距離走れるか」と思いましたが、その後走行距離が伸びるにつれて乗り心地が落ち着いてきました。10000kmを超えればだいぶましになります。低速域のゴツゴツや高速域のコツコツくらいなら許容範囲内です。第7世代車はハーシュネスを若干犠牲にして人間工学的に疲れにくい車として設計されており、運転していても車体がフワフワしないことは実感できます。

4.FF車ならではの伸びやかなエクステリアデザイン

CX-8とCX-60とを見比べてみればわかりますが、直列6気筒縦置きエンジンを積むラージプラットフォームはボンネットが角ばっているのに対し、直列4気筒横置きエンジンを積むFF車のボンネットは伸びやかです。

5.広くはないが長距離でなければ大人4人乗れないこともない

さすがにBセグメント車の後席は補助席としてしか機能しませんが、Cセグメント車の後席なら短距離ではさほど苦になりません。たしかに大人4人で長距離を移動するとなるとDセグメント車以上の車格が求められるでしょうが、そもそも日本で大人4人で長距離を移動する機会などほとんどありません。ろくに使いもしない後席のために高価で大きい車を購入する動機がよくわかりません。

Cセグメントで後席の広い車がほしければインプレッサがあります。北米向きということもあり車内が広々としています。インプレッサも燃費を除けば良い車です。

6.ラージプラットフォームの車よりも安い

300万円の車で許容される乗り心地でも500万円600万円の車で同じ乗り心地なら許容されないでしょう。乗り心地が同じなら安い車の方が気楽に過ごせます。浮いたお金でおいしいものを食べたり旅に出たりできますし。マツダはラグジュアリーカーには興味がないようですので、予算に余裕があってラグジュアリーカーに乗りたければレクサスなりアルファードなりを選ぶ方が満足できるのではないでしょうか。

7.USBデバイスを挿しても車が壊れない

Mazda 3はラージプラットフォームほど新しくありませんので、マツダコネクトがそこまでデリケートでなく、音楽再生用にUSBメモリを挿しても特にトラブルがありません。

8.最大幅1800mm未満で取り回しが良い

北米では道路も駐車場も広いので大きくてパワーのある車が好まれますが、日本の劣悪な道路事情および駐車場事情では小さい車の方が取り回しが良いです。クラウンもFFになる前の先代までは横幅1800mmでした。さすがにMazda 3のファストバックは乗る人を選ぶでしょうが、CX-30なら比較的とっつきやすいのではないでしょうか。CX-30では小さすぎるというのでしたら最大幅1845mmではありますがCX-5がありますし、CX-5なら大人4人で乗るにも十分な広さです。1850mmクラスの横幅といえば、現行型クラウンやハリアーやアルファードもこの幅で、日本の公道では概ねこのサイズが限度です。

9.重心が低い

市販車がSUVやミニバンばかりになってしまいましたので、市販車の中ではかなり低い方です。現行型プリウスも同じくらいの全高です。運転するなら重心が低い方が気持ちよく運転できます。小さい車は前後左右が狭い代わりに高さ方向で室内のスペースを確保しようとしますので、あまり小さくない車の方が車高が低いです。

Mazda 3では市販車には珍しくセダンを選ぶこともできます。ラージセダンなら市販されていますが、Cセグメントでセダンを選べるのはMazda 3とカローラだけです。シビックもインプレッセもセダンをやめてしまいました。

2024年8月18日日曜日

Apple CarPlayでmoviLinkを使ってみました

トヨタがmoviLinkというカーナビアプリを提供しており、トヨタ車のナビと同じ機能を使えるとのことですので試しにアプリを入れてMazda 3で使ってみました。Apple CarPlayに対応しているのはありがたいのですが、マツダコネクトの画面上では他のカーナビアプリと同様に画面が白飛びします。音声案内はマツダ車のナビと同じくらいです。交差点付近で拡大されるのも同様です。

moviLinkに限らず、通常のカーナビアプリはタッチパネルを前提に作られており、コマンダーノブで操作する前提で作られていませんので、タッチパネル非対応でコマンダーノブでしか操作できないマツダ車では操作性が良くないです。

もしマツダコネクト上で操作しやすいカーナビアプリを作るとしたらマツダが自ら作るしかなさそうですが、それが最新のマツダ車で提供されるオンラインナビということなのでしょう。しかしあいにくオンラインナビでないマツダ車に後付でオンラインナビをつけることはできません。

2024年8月1日木曜日

2024年Mazda 3商品改良

2024年8月1日にMazda 3の商品改良が発表されました。変更内容は先に発表されたCX-30の商品改良と同様で、Amazon Alexaやオンラインナビが実装されています。

むしろ気になるのはグレード構成です、近年の傾向に沿って車種やグレードが整理されており、売れ筋から外れたグレードが徐々に消えています。意外にもSkyactiv-Xはかろうじてファストバックの上級グレードで残っており、MTとATの両方がありますが、AWDのみです。MTはファストバックのXと2Lのみです。1.5LはATのFFのみです。セダンは2LとディーゼルのATのFFのみです。

欧州では北米と同様に2.5Lエンジンになりましたが、日本仕様は2Lエンジンのままです。

Black Tone Editionは予想通りになくなりましたが、Retro Sports Editionは残っており、1.5Lでも2Lと同様の長距離用装備をつけられます。1.5Lと2Lの価格差は20万円です。一方、1.5LのS Packageもメーカーセットオプションの360°セーフティー&コンフォートパッケージをつけるとRetro Sports Editionとの装備差が縮まります。価格差は221,500円です。装備の差は以下の通りです。

  • クルージング&トラフィックサポート(CTS):ステアリングアシスト
  • アダプティブLEDヘッドライト:対向車にハイビームが当たらないようにしたり、低速域では歩行者にライトが当たりやすくなったり、高速道路では遠くまでライトが当たりやすくなる
  • LEDヘッドライト
  • リバース連動ドアミラー
  • ステアリングヒーター
  • ステアリングシフトスイッチ
  • パワーシート
  • シートヒーター
いずれも街乗り中心であれば必要ない装備です。一方、15S S Packageに360°セーフティー&コンフォートパッケージをつけると以下がつきます。
  • 360°ビューモニター(車の周辺の死角が見える)
  • ワイヤレス充電(Qi)
  • ワイヤレスApple CarPlay
  • フルセグTVチューナー
さらに以下は15S S Packageで標準装備です。
  • 交通標識認識システム(TSR)
  • Amazon Alexa
  • 車載通信機
  • 前側方接近車両検知
  • スーパーUVカットガラス(フロントドア)+IRカットガラス(フロントガラス/フロントドア)
  • 自動防眩ルームミラー
以下は、事実上のレンタカーグレードである15Cも含めた全車標準装備です。
  • 全車速対応追従型クルーズコントロール(MRCC)
  • 後側方接近車両検知
  • レーンキープアシスト
  • ブラインドスポットモニタリング
  • 純正オーディオ(音が良い)
  • フロントガラス照射式ヘッドアップディスプレイ
いまどきの車は標準装備でもなかなかのものです。15S S Packageなら街乗りで必要な装備はほぼ網羅されています。そこから17万円弱追加して360°セーフティー&コンフォートパッケージべきかどうか迷うところですが、今までの経験上、360°ビューモニターはつけた方がよいと思います。車庫入れで便利なだけでなく、狭い道を通過するときや狭い駐車場を走行するときや、さらにコンビニで前進駐車するときに楽です。後方はバックモニターがありますのでギリギリまで寄せられますが、前方は360°ビューモニターがないとボンネットの向こう側が見えません。車幅感覚があれば解決する話ではありますが、車には死角が多いので、見えているつもりは危険です。知らないうちに子供や動物が死角に入り込んでいるかもしれません。ワイヤレス充電やワイヤレスApple CarPlayはなくても困りませんがあってもよいかなとは思います。

残念ながらフルセグTVチューナーまで抱き合わせでついてきます。運転中には映らないのにTVチューナーをつける意味が理解できません。いまどきの車はTVキャンセラーをつけると壊れますので、暗黙のうちにTVキャンセラーをつけることが想定されているようにも見えません。昔はFMチューナーで地上波テレビの1〜3chの音声も受信できたのですが、地デジの時代になってFMチューナーで受信できなくなりましたので、ラジオの代わりでしょうか。それでも、一昔前までは少しでも安全装備をつけるとTVチューナーが抱き合わせだったのに対し、今では標準装備でもそれなりの安全装備がついていますので、安全装備のためにTVチューナーを抱き合わせで買わされるということはありません。

1.5Lエンジンは未だに圧縮比13のままで、Mazda 2で採用された圧縮比14のエンジンではありません。しかし、つい最近レンタカーで新しいMazda 3の1.5L車に乗ったところ、低回転のトルクが向上して、低負荷では低回転で走ることができました。1.5Lエンジンというとアクセルを踏んでしっかり回して走らせるものとばかり思っていましたが、今の1.5Lエンジンは公道の速度域なら意外と低回転で走れてしまいます。ロードスター用の燃調マップの改良が反映されているのでしょうか。

また、1.5Lエンジンには未だにマイルドハイブリッドがついていません。たしかにMazda 3の1.5Lなんて日本専用ですのでそのために型式証明を取るのは手間ですし、1.5Lは安く売りたいのかもしれません。最近の車は電装品の消費電力が大きいので、オルタネーターとバッテリーの容量を大きくするだけでも燃費が改善しそうですが、Xよりも燃費が良くなってしまうと困るのでしょうか。将来Xが廃盤になったあかつきにはテコ入れしても良さそうですが。

1.5Lエンジンにこだわらなければ2LのTouringには一通り長距離向けの装備がついています。1.5L S Packageに360°セーフティー&コンフォートパッケージをつけた価格よりも約25万円高いです。長距離向け装備全部盛りの15S Retro Sports Editionは20S Touringよりも少し安い程度です。高速道路で余裕を持って走るなら2Lの方がよいのですが、2Lエンジンは燃費が悪く、燃費のために我慢しながら走るとつまらないです。どのみち公道の制限速度が制約になりますので、2Lエンジンで我慢しながら走るよりも1.5Lエンジンをしっかり回して走る方が気分が良いです。いっそのこと1.5Lエンジンにターボをつけた方が2Lエンジンよりもよく走ってかつ低負荷域で燃費が良かったりしないでしょうか。Mazda 2の1.5Lディーゼルエンジンの代わりにもなりそうですし。

Xはもともと全部盛りかつAWDですので高いですが、2Lエンジンの全部盛りのAWDと比べても100万円近く高いです。250万円の1.5Lエンジン車に対してXは400万円です。重量は1.5Lエンジン車よりも200kg近く重いです。Xはエンジン単体の熱効率は良いのかもしれませんが、補機が多くなって重くなりましたので、車としての燃費は1.5Lエンジン車とほぼ同じです。それでいてハイオク推奨ですので燃料代はむしろ高いです。車種が整理されている中でよく残ったものだと思います。

2024年7月21日日曜日

右側ドアミラーの開閉異常

いつも通りに運転していたら右側のドアミラーから後ろが見えないことに気が付きました。よく見ると完全に開ききっていません。何度か開閉操作したり、窓を開けて手で押したりしてやっと正しい向きになりました。

前に乗っていたデミオディーゼルを含めて今までドアミラー開閉に関するトラブルは皆無でしたので意外でしたが、別に猛暑による熱膨張のせいで歪みが生じたとかではないようで、ネットで調べてみるとMazdaの他車種を含め似たような不具合事例がいくつもヒットします。 日本車の中ではマツダが突出してこの不具合を発生させているようです。

2024年7月15日月曜日

Mazda 3 15S Retro Sports Edition

現在のMazda 3 20S Proactive Touring Selectionを購入した際、当初は1.5Lを念頭に置いていたものの、Mazda 3になってからは1.5Lエンジン車で各種長距離向けの装備をつけられなくなったため、価格差もさほどないということもあり、2Lエンジン車を購入しました。2Lエンジンの方がバランスが良さそうでしたので第7世代車の素の姿を知るのに良いかなと思いましたが、それは後付の理屈です。

今でも15S Touringでは長距離向けの装備をつけられないのですが、カタログの隅の方をよく見ると、特別仕様車のRetro Sport Editionには1.5Lエンジンもあり、これだと2Lエンジン車同様の長距離向け装備をつけられることに今更ながら気が付きました。特別仕様車の立派な内外装までは必要ないのですが、装備にお金をかけるという選択肢があるのはありがたいです。

もっとも、Mazda 3は商品改良を間近に控えていて、商品改良後に1.5Lエンジンの特別仕様車があるかどうかわかりませんが。

なぜ2Lではなく1.5Lを求めるかというと、1.5Lの方が燃費が良いですし、アクセルを踏んでエンジンをしっかり回しても燃費がさほど悪くありませんし、日本の公道の速度域ならほぼ1.5Lエンジン車でも間に合いますし、1.5Lエンジン車は近所に買物に行くだけでも運転していて楽しいからです。

2024年7月14日日曜日

久しぶりにレンタカーでMazda 3に乗りました

タイムズカーレンタルのC2クラスを予約すると最近はヤリスハイブリッドやアクアに当たることが多いのですが、たまにMazda 3に当たることもあります。今回はMazda 3に当たったのですが、2024年5月登録の新しい車でしたので、最近のマイナーチェンジ版がどうなっているかを知ることができました。

レンタカーグレードといってもレンタカーらしいのはエアコンがマニュアルエアコンであるのと、ドアノブのタッチセンサーで鍵の開け閉めができないこと、360°ビューモニターがついていないこと、ホイールが16インチであることくらいで、それ以外は立派です。1.5Lエンジン車はレンタカーでなくても制限速度が表示されなかったりCTSによる高速域でのステアリングアシストがありません。あと、ヘッドライトがLEDでなくHIDですのでアダプティブLEDヘッドライトも無く、ハイビームコントロールだけです。

まずマニュアルエアコンについてですが、たしかに見た目は素朴ですが、実際に使ってみると別にこれでもよいかなと思えてきます。他のマニュアルエアコンと同様に暑さ寒さは直感的にダイヤルで調整できますし、風量もダイヤルで調整できます。マニュアルエアコンというといかにも安っぽいものばかりですが、Mazda 3のマニュアルエアコンの操作パネルはマニュアルエアコンにしては質感が高いですし、ノブやボタンの使い勝手も上々です。

16インチホイールですので乗り心地がよいかなと期待しましたが、まだ走行距離が短く、新車特有の当たりが取れていませんでした。また、18インチホイールほどゴツゴツしない反面、エアボリュームが大きいせいか、ややふわふわする印象を受けました。タイヤがヨコハマのBluEarth-GTだからでしょうか。BluEarthシリーズはサイドウォールが柔らかめなのか、初めて乗るとふわふわした印象を受けます。Mazda 3のホイールは18インチが標準で16インチホイールだと操縦安定性能が若干低下するようですし、高速道路での安定性も18インチよりも劣ると感じましたが、どのみち1.5Lエンジン車は足が遅いので、18インチホイールでなければ不利になるほど早く走れるわけではありません。それなら安くて乗り心地がよくバネ下重量の小さい16インチでもよいということになります。ワインディングを走りましたが、公道で曲がる性能は申し分なし。ノートよりも曲がる性能はすぐれていると感じました。Mazda 3は重心が低いですし。

高速道路を走りましたので、CTSのステアリングアシストが使えないのは少々不便かなと思ったものの、高速道路で長距離を走る頻度が高くなければ通常のアダプティブクルコンでも間に合います。パワーが乏しいので高速道路で追い越す際には注意を要しますが、それでもアクセルを踏めば普通の小型車並には加速しますので、速い車が後ろから追いついてくるタイミングを避ければどうにかなりそうです。TSRがついていませんので制限速度が表示されませんが、必ずしも正しい制限速度を表示するとは限りませんので、これは無くても大丈夫そうです。

意外だったのは一般道でのエンジン回転数です。巡航時には1300回転くらいまで下がりますが、発進時でも意外と2000回転くらいで粘ります。たまに3000回転行くか行かないか。さすがに登り坂で加速すると4000回転くらいまで行きますが、せいぜいその程度。高負荷域では排気量なりです。BMアクセラの頃から同じエンジンのはずなのに、最近のMazda 3の1.5Lエンジンは2Lエンジンと見紛うくらいエンジン回転数を低く押さえています。たった1.5Lのエンジンのどこに排気量の余裕があるのでしょうか。念の為車検証を見返したらやはり1.5Lでした。マイルドハイブリッドでモーターアシストがあるわけではありませんし、圧縮比は13のままですし、一体どこでどうやったら低回転でもトルクが太くなるのか謎です。もしかして、ロードスター向けの1.5Lエンジンの燃調マップの改良の成果がMazda 3の1.5Lエンジンにも反映されているのでしょうか。仮にそうだとしたらMazda 2の1.5Lエンジンも低回転のトルクが太くなってさらに走りやすくなっているのでしょうか。低負荷での回転数がここまで下がるなら日本の公道は1.5Lで十分ではないかと思いました。

まだ新車時の当たりが取れていないのか、燃費はいまいち。20km/Lくらい行くはずの車なのですが、巡航時にエンジン回転数を落とすよう努めたものの満タン給油時の平均燃費は19km/Lに届かず。しかし、車内の燃費モニターを見ると、条件の良い区間では平均燃費23km/Lくらい出ていました。2Lエンジン車で同じ条件で走ればおそらく18km/Lくらいですので、一般道を走るなら1.5Lの方が燃費が良さそうです。

1.5Lエンジン車が比較的街乗りが多いので電力回生できればもっと燃費を改善できそうです。最近の車は電力消費が多いですし、特に街乗り主体の車では走行距離が延びずバッテリーへの充電がなかなか進みませんので、オルタネーターと鉛バッテリーの容量を増やすだけでも効果がありそうです。しかしそこまでするならマイルドハイブリッドとほぼ同じシステムになりますので、モーターアシストのためでなく電装品向けの電力回生としてマイルドハイブリッドを入れてほしいものです。

360°ビューモニターがついていませんので、久しぶりの普通のバックモニターを使いましたが、現在の車の位置とその延長線を示しているだけで、ステアリングの切角に応じた延長線が表示されませんので少々不便に感じました。せめてステアリングの切角に応じた延長線で表示されればよいのですが。360°ビューモニターは狭い道場所で障害物との接近状況を把握するのに便利なのですが、ついていないと車幅感覚だけが頼りですので、少々不安です。Bセグメント車と比較される車であれば、一回り大きいことによるハンディキャップをカバーすべきでしょう。もっともこれはレンタカー仕様だからであって、個人で購入するときにはメーカーオプションで360°ビューモニターをつければ済むことです。

ドアの鍵はドアノブのタッチセンサーで操作できる方が便利です。ポケットに鍵を入れていて鍵開閉ボタンを押そうとすると、どちらが施錠のボタンでどちらが解錠のボタンか手で触った限りではわかりません。ボタンの上に何かわかりやすい突起をつけてほしいものです。

内外装の質感および走りの質感については、このクラスこの価格の車とは信じられないくらい良いです。ノートe-Powerやオーラも良い線行っていますが、ノートはどちらかというとハイテクを強調した内装です。Mazda 3は日本車には珍しいほどかっちりかつしっとりとしていて、圧倒的なコストパフォーマンスです。Mazda 3の1.5Lエンジン車の価格はBセグメントのハイブリッド車、例えばヤリスハイブリッドやノートe-Powerと同じくらいです。燃費性能と動力性能は全然違いますが、操縦安定性能は劣りませんし、様々な質感はすぐれていて、それこそCセグメントのカローラやインプレッサよりも上です。どのみち年間走行距離が短ければ燃料代の差もさほど大きくありませんので、年間走行距離がさほど長くなく、運転する楽しみを追求したいなら、Mazda 3の1.5Lエンジン車は良い選択肢だと思います。


2024年6月19日水曜日

欧州向けMazda 3のガソリンエンジンが2.5Lに

2024年に発表された欧州向けMazda 3の2025年モデルでは、ガソリンエンジンが北米向きと同様に2.5Lになりました。もともとマツダは排気量が大きい方が低回転でエンジンを回すことができ実燃費が良いと主張していましたので、だったらどうして欧州向けのMazda 3のエンジンを2.5Lにしないのだろうと思っていました。欧州の税制は排気量ベースではなく出力ベースですので排気量を大きくしても出力を絞れば税負担は増えません。また、出力を絞ることで実燃費を向上させることもできます。

そういうわけで欧州向けのMazda 3の2.5Lエンジンは140psとのこと。日本仕様の2Lエンジンの出力が156psですのでそれよりも低いですが、高回転域での燃料噴射を抑制した結果ですので低回転での太いトルクは2.5Lエンジンのままです。1.5Lディーゼルエンジン並のトルクですので、高速道路での巡航では走りやすくなるのではないでしょうか。しかしそうなるとSkyactiv-Xはどうなるのだろうかと気になります。製造コストについては、補機類の少ないSkyactiv-2.5Gの方が有利です。

日本向けのMazda 3も一部グレードで受注を停止しており、商品改良の発表が間近と思われますが、日本向けではどうなるのでしょう。日本は排気量課税の国ですが、円が安くなった結果、すっかりガソリン代が高くなってしまいましたので、もし税制上の不利を補えるくらい実燃費が改善するなら2.5Lエンジンでもよいのではないでしょうか。燃費対策は欧州向けと同様に出力を絞ればよいわけですし。どのみち公道ではそこまで大きな出力が必要ありませんので、一部スポーツグレードだけ出力を絞らないことにして、廉価版では低出力版を売れば、企業平均燃費の数字が良くなります。ディーゼルエンジン車の販売を継続するかどうか知りませんが、もしディーゼルエンジン車の販売をやめるのでしたら、それを補うべく低回転でトルクの太いパワートレインが求められることでしょう。

逆にエンジンをしっかり回すのでしたら1.5Lエンジンの方が日本の道路では楽しく走れます。商品改良を機にMazda 2と同様に圧縮比を14にすれば燃費を改善できそうですし、Mazda 2のエンジンと共通化できます。Mazda 3の1.5Lエンジンはしっかり回す前提ですのでマイルドハイブリッドのモーターアシストによる燃費改善効果はさほどないかもしれませんが、それでも最近の車は電装品の消費電力が大きいので、オルタネーターの容量を増やすことによる電力回生の効果は期待できそうです。

2024年6月4日火曜日

シングルローターのエンジンにTHS?

マツダが発表したシングルローターの小型ユニットにはTHSがついているという記事を見かけました。そんな重要なことをどうして見落としていたのだろうかと思って動画の廣瀬CTOのプレゼンを見直しましたが、THSとは一言も言及されていませんでした。以下はもしTHSだったらどうなるのだろうという話です。

もとより、ヤリスハイブリッド用のTHSをそのまま積んだMazda 2は望むところです。それならヤリスハイブリッドのOEMでなくてもマツダ製をそのまま欧州で売れます。トヨタ製の1.5LエンジンやSkyactiv-G 1.5ではないのはマツダの意地でしょうか。

そこでまず気になるのは、ヤリスハイブリッド用のTHSなら1.5Lエンジン用に最適化されていますが、8Cエンジンは排気量800mL。レシプロエンジンに換算しても1.2Lです。1.5Lには足りません。だからといってTHSのサイズに合わせて1Lのロータリーエンジンを新規に開発するとも思えませんし、それでは小型軽量化できません。もしかして開放されているTHSの特許を用いて800mLロータリーエンジンが最適なサイズまで独自にスケールダウンしたのでしょうか。もしマツダでTHSを内製するのでしたらトヨタ車のサイズに合わせる必要はありません。スケールダウンした上に小型軽量のロータリーエンジンと組み合わせるのでしたらヤリスハイブリッド用のTHSよりもかなり小さくできそうです。車体を軽くできれば1.2L相当でもよく走るでしょうし、現に車体の軽いスイフトは1.2Lエンジンでもよく走ります。しかもスイフトはマイルドハイブリッドでも十分に燃費が良いです。制御をどうするかですが、過去にアクセラにTHSを積んだことがありますし、今でもエンジンを含めてTHSをそのまま積んだ車を出そうとしているところですし、8Cエンジンの燃焼モデルならMX-30 R-EVのときのものがありますので、それらの知見を用いてモデルベースで開発しているのでしょうか。

もう一つ気になるのは、果たしてロータリーエンジンでトヨタのハイブリッド車並の燃費性能を確保できるかです。単純に熱効率だけ考えればロータリーエンジンがレシプロエンジンに勝てるはずがありません。しかもTHSとなれば発電専用ではなく駆動用にも使用するでしょうから、ますますエンジンの熱効率が悪くなります。過去のインタビュー記事で、発電専用では欧州の燃費規制で求められる燃費性能を確保できないので駆動用にも使う必要があるとの発言を見かけました。エンジンを駆動用にも用いるなら、動力を任意に配分できるTHSが効率的でしょうし、もしかしたらシリーズハイブリッドよりもモーター出力を下げたり蓄電池容量を減らしたりできてさらに小型軽量かできるのかもしれません(ノートe-Powerはモーター出力大きめです)。THSで効率化した分でロータリーエンジンの熱効率の悪さを補うというでしたら、それもありだと思います。トヨタのハイブリッド車の燃費に及ばなくてもシリーズハイブリッドよりは燃費が良いかもしれませんし、もしかしたら軽量化した分で燃費性能を稼げるかもしれません。

2024年6月3日月曜日

ロータリーエンジンの時代になったらRRもありなのではないか

マツダが開発中の小型化されたロータリー発電ユニットはEV専用プラットフォームのモーターの場所にも設置できるとされています。マツダはEVの時代はFRの時代だとしていますし、後方にモーターを設置するレイアウトも考えているようです、それくらい小型化できるのでしたら、ルノートゥインゴやSmartのようにRRにもできるのではないでしょうか。

トゥインゴやSmartはレシプロエンジンを後席の下に設置しています。レシプロエンジンにできることがロータリーエンジンにできないはずがありません。ノーズは短いですがポルシェ911と同様に前のボンネットはトランクルームになっています。直進安定性さえ確保できればこのレイアウトは合理的です。まず後輪は駆動に特化し、前輪は操舵に特化できますのでサスペンションをシンプルにでき、その分サスペンションを軽くできます。FR車と異なりドライブシャフトが不要です。だからこそFRの時代になる前の自動車はRRだったわけです。360cc時代の軽四輪車は軒並みRRで、マツダのキャロルもRRでした。

自動車は追突されたときに乗員を守れるよう、後方は頑丈にできていて、逆に自分が追突したときには、乗員を守ったり歩行者を保護したりするため、前方は壊れやすくできています。前方にエンジンルームがあるとエンジンルームがクラッシャブルゾーンですので追突時にエンジンが脱落したり壊れたりするようにできています。一方、エンジンが後方にあれば頑丈な区画の中で守られています。

荷物の出し入れについても、今は後ろがせり上がったような車体ですのでリアハッチの位置が高く、荷物を高く上げないとトランクルームに荷物を入れられません。前方のボンネットをトランクルームにするなら、荷室を低くすることができます。ポルシェ911のトランクルームなんてかなり低い所にあります。中身が空のトランクルームを前方に伸ばすのでしたらトランクルームを大きくしても車両重量はさほど増えませんので、ロングノーズショートデッキのデザインと車両重量の低減とを両立できます。また、FR車と同様に前輪を前に出すことができますので、右ハンドル車であっても適正なドライビングポジションを確保できます。前輪を前に出してホイールベースを確保すれば、RR車が苦手な直進安定性を補うこともできそうです。

ルノー・トゥインゴで重量1000kg前後。ロータリーエンジンで軽量化できればもっと軽くできるでしょう。もしシリーズハイブリッドで車両重量を900kgくらいに抑えることができれば、MX-30 R-EVの半分以下の重量ですので、燃費は単純換算で2倍、30km/L超えです。燃費性能の雄ヤリスハイブリッドにはまだ及びませんが、アクアに肉薄し、ノートe-Powerのようなレシプロエンジンのシリーズハイブリッド車に勝てます。ロータリーエンジンは原理的にレシプロエンジンよりも熱効率が悪いのですから、他車との競争力を確保しようとしたらロータリーエンジンにできてレシプロエンジンにできないことを追求するしかないのではないでしょうか。熱効率で勝てないなら重量で勝つしかありません。もしロータリーエンジンにできてレシプロエンジンにはできないような軽量化パッケージがあるなら、それを追求しない手はありません。

問題は、利幅の小さいコンパクトカーのために独自プラットフォームを起こす経済合理性があるかです。マツダ単独で数が出ないなら他社との共同開発もありかもしれませんが、ロータリーエンジンという基幹技術をマツダに押さえられた状態でおいそれと共同開発の話に乗れるかというと、それも難しそうです。ではCセグメントやSUVまで含めてスモールプラットフォームは全部ロータリーエンジンのRRにしてしまうかというと、それではレシプロエンジンを乗せられなくなってしまいます。

それでも、バッテリーEVと共通化できるでしょうから、レシプロエンジンを諦める覚悟さえできればある程度幅広く使えるかもしれません。バッテリーEVだってバッテリー搭載量を抑えるためには軽量化が一番で、レシプロエンジン車の延長線上では実現不可能なレベルでの軽量化が必要です。かといってバッテリーEV一本足では不安ですので、EV専用プラットフォームに積めるロータリーエンジンというのはリスクヘッジになります。あとはロータリーエンジンをどこまで本気でやるか次第です。

2024年6月2日日曜日

小型化されたロータリー発電ユニット

2024年5月28日にトヨタ、スバル、マツダの共同で三者三様にエンジン開発をする旨が発表されました。その中でマツダが発表したのはロータリー発電ユニットをさらに小型化したものと、FR車向け2ローターのロータリーエンジンユニットでした。注目を受けたのは後者ですが、前者も意外と重要だと思いました。

ロータリーエンジンは原理的にレシプロエンジンよりも熱効率が悪いので、もしロータリーエンジンで燃費性能を確保しようとしたら車両重量を減らすしかありません。軽くするためには車体を小さくするのが一番です。室内スペースを犠牲にせずに車体を小さくしようとしたらエンジンルームを小さくするしかありません。そうすれば小型軽量なロータリーエンジンの長所を活かすことができます。ロータリー発電ユニットの小型化にはそのような問題意識が背景にあるのではないかと推測します。

そこで気になるのが魂動デザインとの整合性です。マツダは今までロングノーズショートデッキのエクステリアデザインを好んできました。エンジンルームを小さくすればその分ノーズが短くなります。だからこそコンパクトカーのデザインは難しいわけですが、マツダのデザイナーはどのように解決するのでしょうか。

2024年5月26日日曜日

マツダ独自のハイブリッドとは

CX-5のフルモデルチェンジの際にマツダ独自のハイブリッドを搭載することが発表されました。自社技術の中身が発表されていませんので、様々な憶測を呼んでいます。せっかくなので正式に発表される前に予想してみようと思います。

まずわかるのはトヨタのハイブリッドシステムではないということ。すなわち、2モーターで遊星歯車を介してエンジン動力を駆動力と発電とに任意に配分するシステムではないということです。トヨタのハイブリッドシステム自体はトヨタが他社にも無料で開放しており、やろうと思えばやれないこともないのですが、なにぶん制御が難しく、その一番難しい制御の部分を自社で開発するのは困難ということでマツダはだいぶ前にこの方式の自社開発を諦めてトヨタのハイブリッドシステムをOEM導入することを決めました。燃費性能は世界最高レベルですし、モーターやインバータの小型軽量化が進みコストも下がった結果、コスト面でも重量面でも普通のガソリンエンジン車との差が小さくなっています。

現在マツダが持っている技術は、ラージプラットフォーム向けのPHEVとMX-30で採用されたロータリーエンジンで発電するタイプのEVです。しかしどちらもそのままCX-5に移植することができませんので、CX-5向けの独自開発が必要です。まだ詳細が発表されていないのはそのためでしょうか。

前者は、エンジン自体はマツダでありふれた2.5Lガソリンエンジンですが、縦置きエンジンのFR向けのプラットフォームですので横置きエンジンのFF車であるCX-5にそのまま移植することができません。後者はCセグメントのMX-30向けのシステムで、一回り大きいCX-5に移植するにはエンジンのパワーが足りません。そもそもロータリーエンジンは小型軽量という利点はあっても、エンジン自体の燃費は原理的にレシプロエンジンに劣ります。そこでMX-30用のロータリーエンジンでは燃費に特化した結果、ロータリーエンジンの燃費としては驚異的に改善しましたが、それでも日産やホンダのレシプロエンジンベースのシリーズハイブリッド車の燃費にまだ及びません。

サイズの大きいCX-5なら敢えて小型軽量のロータリーエンジンを採用するまでもなく、既存の1.5Lガソリンエンジンや2Lガソリンエンジンを発電専用に調整したものを使う方がはるかに簡単ではないでしょうか。Mazda 3での燃費を比較する限り、2Lエンジンを低回転で使うよりも1.5Lエンジンを高回転で使う方が燃費が良さそうです。これなら日産のe-Powerくらいの燃費は達成きます。

シリーズハイブリッドは120km/h以上の高速域の燃費が悪いのが弱点ですが、北米のインターステート・ハイウェイの最高速度は時速70マイル(112km)かつ速度取り締まりが厳しいので、120km/h以上での燃費の悪さが顕在化しません(だからこそハリアーみたいな鈍重な車が売れるわけです)。日本でも公道での最高速度は120km/hです。速度域の高い欧州向けを諦めて、高収益の北米向けに特化すればシリーズハイブリッドでもやれないこともなさそうです。欧州といっても、アウトバーン以外の高速道路の最高速度は130km/hですので、モーターと推進軸の間に小容量の歯車を介せばできないこともないかもしれません。どのみち電気モーターは低回転で大トルクを出しますので、ディーゼルエンジン同様に若干ハイギアードにしても加速できます。また、モーターの出力軸がそのまま推進軸にならないのでしたら、どのみちどこかで歯車を介すことになりますので、そこで歯車比を調整して増速すればよいでしょう。

CX-5は車高の高いSUVですので、床下にバッテリーを積むスペースがあります。バッテリーの搭載量に応じて電気モーターだけで走れる距離を調整できます。レシプロエンジンによるシリーズハイブリッドの充放電制御は、ラージプラットフォーム向けのPHEVの充放電制御とほぼ同じですので、ハードウェアはともかくソフトウェアについては既存の技術を流用しやすいでしょう。

レシプロエンジンベースのシリーズハイブリッドでは、Mazda 3やMazda 2のような小さいサイズの車には展開できないかもしれませんが、CX-5は単体で数が出る車ですので、CX-5だけのための技術があっても、安価な技術なら開発費を回収できそうです。少なくともロータリーエンジンの燃費をさらに改善して2ローターにしてCX-5に積むよりは安くつくのではないでしょうか。

2024年3月24日日曜日

ロードスターのポールアンテナ

ロードスターは幌屋根で屋根上にアンテナを設置できないため、車体後方にポールアンテナが立っています。どうせポールアンテナを立てるのだったら左前方につければヘタクソポールを兼ねるのではないでしょうか。格好悪いですし、NDロードスターはもともと前輪の上のボンネットがせり上がっていて位置をつかみやすいため、そもそもヘタクソポールをさほど必要としませんから、どうせやらないでしょうけど。

昔の車はAピーラー運転席側に伸びるアンテナがついていて、あれならオープンカーにもつけられそうですが、ロードスターではそうせずに敢えて車体後方にポールアンテナをつけているのはなぜなのでしょう。いまどきのアンテナはFMラジオのアンテナだけでなくテレビのアンテナも兼ねていますので、昔よりも機構が複雑になっているためでしょうか。

Mazda 3ではセダン・ハッチバックともにリアガラスアンテナが採用されており屋根がすっきりしていますが、リアガラスのないロードスターにはつけられません。小さいながら後ろにガラスのあるロードスターRFならリアガラスアンテナをつけられるのでしょうか。Mazda 3はせっかくリアガラスアンテナなのに、わざわざ社外品のシャークフィンアンテナをつける人もいるようで、人の好みはそれぞれですので、そういうカスタムもあるのかもしれません。だったらヘタクソポールアンテナのカスタムも誰かがやってもよさそうですが。

2024年3月18日月曜日

MX-30の車高の低いのがほしい

MX-30は他のマツダ車とは異なる比較的緩いエクステリアが魅力ですが、過去にEVに試乗した際には、天井が高くてアップライトな姿勢で座っているとまるで軽自動車のトールハイトバンを運転しているかのような気分でした(もちろん走りやドライビングポジションは全然違いますが)。車体の嵩上げをなくし、車体下部の樹脂パーツの縁取りをなくせばMiniみたいになりそうです。1人か2人で乗るならMX-30ほどの大きさの車は不要ですし、観音開き扉は車体を重くしますので、Bセグメントサイズの3ドアハッチバックにして、次期Mazda 2のシリーズハイブリッド車にならないものでしょうか。

2024年1月16日火曜日

ディーゼルエンジンによるシリーズハイブリッドは可能か

ハイブリッド車は、電力回生のみならず、エンジンだけではトルクの不足する領域でモーターアシストをするものです。それに対してディーゼルエンジンは低回転でトルクが太いのでモーターアシストは不要と考えられています(トラックにはディーゼルハイブリッドもありますが)。それに、ディーゼルエンジンはターボチャージャーやインタークーラーや、ブレーキサーボ用の真空ポンプや、環境対策のためのDPFフィルターといった補機類を既に多く積んでいますので、そこからさらにモーターや発電機や蓄電池といった補機を増やすのは冗長に見えます。

しかしそれはトヨタのTHS2のようなパラレルハイブリッド車の話であって、エンジンを発電専用に用いるシリーズハイブリッドでは、エンジンの効率の良い領域のみを使うことができることが効率性の源泉です。低回転での太いトルクは電気モーターによって実現しています。それはガソリンエンジンだろうとディーゼルエンジンだろうと、はたまたロータリーエンジンであっても同様です。もしディーゼルエンジンを発電専用に用いるなら、熱効率の良い領域だけで使うことができますので、駆動用ディーゼルエンジンに積むような補機類を省略したりできないものでしょうか。ディーゼルエンジンは窒素酸化物対策と煤対策が難しいですが、熱効率の良い領域でしか使わないなら、環境対策も容易になりそうです。

ディーゼルエンジンは自然吸気では同じ排気量の自然吸気ガソリンエンジンよりもパワーが低いですが、ガソリンエンジンよりも低温で燃焼できますので、排気量を増やすことで発電用エンジンとして十分な容量を確保できれば、効率の良い発電用エンジンにならないものでしょうか。1.5L自然吸気ディーゼルエンジンで、1.2L自然吸気ガソリンエンジンや800ml自然吸気ロータリーエンジンと同じくらいのパワーが出るなら、これら3つの中では最も熱効率が良かったりしないものでしょうか。駆動用エンジンの補機と変速機(これも結構重い)の代わりに発電機とモーターと蓄電池を積むなら、重量を同じくらいかあるいは少し軽くできそうです。

800mlロータリーエンジンもRX-7の頃のエンジンに比べればかなり燃費が良くなっていて、1200kgくらいのBセグメントのシリーズハイブリッド車なら23km/Lくらいは目指せそうですが、ロータリーエンジンは原理的にレシプロガソリンエンジンよりも熱効率が悪いです。熱効率の勝負であれば補機類を省略した自然吸気ディーゼルエンジンにも可能性がないものでしょうか。レシプロガソリンエンジンを積んだ日産ノートe-Powerで実燃費25km/Lくらい、ロータリーエンジンを積んだシリーズハイブリッドで23km/Lくらい出せるなら、自然吸気ディーゼルエンジンで30km/Lを超えることができないものでしょうか。軽油で30km/L超えならヤリスハイブリッドと並んで世界最高水準の燃費性能になりえます。

さらにいえば、ディーゼルエンジンではバイオディーゼル燃料を使うこともできます。持続可能な燃料が使えるならエンジンを残すことができます。ロータリーエンジンも雑食性と言われていますが、液体水素は技術的なハードルが高いですし、ガソリンエンジン向けの持続可能な燃料というとバイオエタノールくらいしかありませんが、バイオエタノールは食と競合します。