2018年2月7日水曜日

G-ベクタリング・コントロールは何が効いているのか

今までの経験上、G-ベクタリング・コントロール付の車に乗ると高めの速度でコーナーに突っ込んでも意外と曲がれてしまいます。本来、遠心力は走行速度と曲線半径によって一意に決まるもので、遠心力がタイヤのグリップ力を超過すれば当然曲がれませんので、G-ベクタリング・コントロールがあろうが無かろうが曲がれる速度は同じであるはずです。

しかし実際には車内には0.01Gから0.05G程度の微小な揺れが常に発生していて、それはG-Bottleを置いてみたりGモニターを表示させたりすれば可視化できます。路面の細かい凹凸によって振動が発生しますので、震動による揺れ自体を無くすことはできません。その揺れは直進時にも曲線通過時にも発生していて、曲線通過時には遠心力による横Gに加えて、揺れによる横Gも発生しています。路面の凹凸は左右の前輪に前後方向の力を加えるだけでなく、左右の前輪にかかる荷重が変化すればタイヤのグリップ力も変化しますので、左右のタイヤのグリップ力の差異によってコーナリングフォースが発生します。これが横Gになるわけです。揺れによる横Gが加わった状態で限界を越えないのが曲がれる速度になりますので、揺れのせいでコーナリング性能を無駄にしていることになります。曲線通過時の横Gが0.2Gの場合と0.25Gの場合とでは体感速度がかなり違います。

しかも、遠心力による横Gはコーナーに入るにつれて徐々に大きくなるものですから同乗者にも予測しやすく身構えやすいのにに対し、常に発生する揺れを個々の振動レベルで予測して身構えることは不可能です。同乗者が揺すられなくなるのはこの余計な揺れが無くなるためでしょう。実際、G-ベクタリング・コントロールでコントロールしている加速度は通常は0.01G、最大でも0.05Gとのことで、何を打ち消そうとしているかが見て取れます。

尚、コーナー手前で減速してコーナー出口で加速するというマクロレベルのコーナリングについては、そもそも減速時にはアクセルオフですのでエンジントルクの制御によってコントロールすることは不可能です。コーナリングで最も難しいのは減速のタイミングですので、ここを制御できないということはマクロレベルのコーナリングをエンジントルクによって制御することはできないということです。

ところで素朴な疑問なのですが、G-ベクタリング・コントロールは車速とステアリング切り角のみから最適なエンジントルクを計算しているとありますが、どういうロジックで計算しているのでしょう。車速を時間で微分すれば加速度を計算できますし、それをさらに時間で微分すれば躍度を計算できます。また、ステアリング切り角を時間で微分すれば変化率を計算できます。また、車速とステアリング切り角から本来発生すべき横Gを計算できます(ステアリング切り角が0のときには横Gが0であるべき)。市販車は弱アンダーステアですので、曲線内側に逸脱している場合にはエンジントルクを増やして車体を曲線外側に向ける必要がありますし、逆に曲線外側に逸脱している場合にはエンジントルクを絞って車体を曲線内側に向ける必要があります。しかしこの際、前後方向の速度データだけではどちらの方向に逸脱しているかわからないように思えるのですが、どうやって識別しているのでしょう。

曲線が内側に寄れば直進方向のベクトルが僅かに短くなり、逆に曲線が外側に寄れば直進方向のベクトルが僅かに長くなることから、これを車速の変化として識別しているのではないかと推測します。では直進時にはどうかというと、そもそも実際の道路には完全な直線というものはほとんど存在しませんし、たとえ完全な直線であってもステアリング切り角が厳密に0ということはありえなくて、直進しているときですら小さな修正舵を当てることで半径の大きな左カーブと右カーブを交互に走っていることになります。となれば車は常に曲線上を走っていることになります。

前後方向の揺れについては簡単で、曲線での左右方向の逸脱を補正してもなお本来あるべき位置よりも前に出ていればエンジントルクを絞り込んで後ろに下げればよいですし、逆に本来あるべき位置よりも後ろに下がっていればエンジントルクを増やして前に出せばよいことになります。実際には左右方向の揺れと前後方向の揺れがありますので、それぞれ合算して最適なベクトルを算出するのでしょう。だからこそベクタリング・コントロールとなるのではないかと想像します。

2018年2月4日日曜日

リコール対応でエンジン制御プログラムを更新しました

リコールがありましたので入庫してきました。エンジンそのものに特に不具合は感じていなかったのですが、リコール対応の副産物としてエンジン制御プログラムが最新になるのに際して、初期型でもDE精密過給制御とナチュラル・サウンド・周波数コントロールが利用できるようになることが同時発表のサービスキャンペーンにより判明しました。

DE精密過給制御とナチュラル・サウンド・周波数コントロールは代車で体験していましたので、制御プログラムで対応できるものなら初期型にも反映してほしいとかねてから思っていました。あいにく型式に係るものは国土交通省の許認可が必要で、単独での変更では手間がかかりますが、リコール対応するとなればどのみち国土交通省との協議が必要で、どうせエンジン制御プログラムに手を加えるなら古いプログラムに手を加えるよりも最新のプログラムに統一した方が工数が少なくて済みますし、ユーザーの利益にもなるということではないかと推測します。

しかし、サービスキャンペーンにはG-ベクタリング・コントロールが実装されたという記述はありませんので、実際にはG-ベクタリング・コントロール有りと無しの2種類があるものと思われます。G-ベクタリング・コントロールを実装するにあたってはサスペンションセッティングも変更したとのことですので、エンジン制御プログラムの変更だけではG-ベクタリング・コントロールを実装できません。

あとはナチュラル・サウンド・スムーザーがつけば申し分ないものの、こちらはエンジンを分解しないと取り付けられませんし、リコールのついでというわけにもいかないでしょうから、初期型につけるのは現実的ではありません。その結果、ナチュラル・サウンド・スムーザーはついていないけれどもナチュラル・サウンド・周波数コントロールのついている個体が発生することになります。

入庫予約の際に「作業時間は1時間半ほど」と言われました。制御プログラムの書き換えだけでしたらそんなに時間がかかることはないでしょうが、エンジンを回して煤を飛ばす作業があるためでしょう。

実際の入庫は1時間半強でした。ディーラーでの説明によると、冷温始動時に煤が出やすいことから、燃焼室内の温度に応じて燃料噴射の設定を変えるようにした由。また、ディーラーで見せていただいた資料によると、交差点での右左折時の加速(徐行時からの加速)でもたつくことに対処したという記述に加え、コーナーからの脱出時のステアリングを戻しながらの加速(時速50km程度)でもたつくのにも対処したとのことでした。

【第一印象】
低速での出足が激変。単にDE精密過給制御付のデミオと同じになっただけのはずなのですが、初期型の個体で出足が変わるとその変化に驚きます。街乗りでは随分扱いやすくなりました。感覚的には15インチホイールXDの初期型よりも出足が軽いです。ただし、今までのエンジン制御に合わせたアクセルの踏み方をしていましたので、慣れないうちは踏みすぎてしまいました。しばらくして慣れてくると加速時にi-DMで青点灯させやすくなりました。

【コーナリング時】
今までもさほど不便を感じていなかったので、果たして効果があるのかと疑っていました。いざ走ってみるとコーナーの出口であまりアクセルを踏まなくても微小なアクセルコントロールをしやすくなったような印象を受けました。i-DMで青点灯しやすくなりました。

【高速道路での追越加速】
今までもさほど不自由していなかったのですが、これもアクセルを踏んでから加速を開始するまでのわずかなタイムラグが解消したような印象を受けました。加速度自体には差はありません。

【エンジン音】
ナチュラル・サウンド・スムーザーがついていませんので、カラカラ音については従来のままですが、低い音が小さくなったように感じました。高速巡航時にはもともと車内にカラカラ音が入ってきませんので、ひと昔前のガソリンエンジン車の音に近づいてきました(さすがにいまどきのガソリンエンジン車と同等というわけにはいきません)。高速巡航時にはエンジン音があまり気にならなくなった反面、ロードノイズや風切り音が気になるようになりました。

【ノッキング音】
従来は低回転で高負荷をかけると「ココココココ」とノッキング音がしましたが、入庫時にエンジンを空ぶかしして煤を飛ばしたせいか、ノッキング音がしなくなりました。たまにはエンジンをしっかり回した方が良さそうです。

【燃費】
正確に計測したわけではありませんが、燃費自体は今まで通りに見えます。加速するまでの間が短くなっただけで、加速度自体が変化しているわけではありませんので。

【総評】
アクセルを踏んだときに一瞬もたつく感じがしなくなったおかげで、ぬるぬる加速するようになりました。アクセルペダルの物理的な反力には何ら違いはありませんが、従来はアクセルペダルを踏んでから加速に反映されるまでの間があたかもアクセルペダルの反力を大きいかのように感じさせていました。2016年1月モデル以降はこれが当たり前ですが、やっと初期型もまともに加速するようになりました。今回の入庫は初期型ユーザーにはかなり効果がありますのでおすすめです。

2017年12月28日木曜日

ヨコハマiceGUARD 6にデミオディーゼル用16インチ登場

2017年秋にヨコハマからiceGUARD 6が発売された当初はサイズリストの中に185/60R16が含まれていなかったのですが、いつのまにかサイズリストに185/60R16が含まれておりました。標準リム幅はデミオ純正サイズに合わせて5.5Jです。少し調べてみたら、2017年12月5日に追加されたようです。ちなみに汎用性の高い185/65R15やアクセラ16インチ用の205/60R16は発売当初からあります。

これからデミオディーゼル用の冬タイヤの購入を検討されるなら、良い選択肢ではないでしょうか。従来のiceGUARD 5 plusよりも大幅に性能が改善しているようですし。

2017年12月27日水曜日

フロントのブレーキパッドとブレーキローターを交換しました

走行距離相応にフロントのブレーキパッドとブレーキローターが摩耗してきましたので、新品に交換しました。欧州車だとブレーキローターも摩耗させることでブレーキを効かせているようですが、国産車であっても走行距離が伸びるとブレーキローターも摩耗するようです。

今までブレーキの操作感にやや不満がありましたので、新品に交換されてどれくらい改善されるのだろうと楽しみにしていました。とはいえある程度慣らさないと本来の性能が発揮されませんので、しばらくは穏やかに走りました。

第一印象は、ブレーキペダルを踏み込んだときにブレーキが強く効く位置が手前に移ったというものです。ある程度深く踏み込んでから効く方がコントロールしやすくて好みなのですが、もしかして深く踏み込んだらもっと効くのでしょうか。しかし少し踏むだけで公道で十分な制動力が得られますのでなかなか試す機会がありません。

少し慣れてくると踏力一定でi-DMが青点灯するスイートスポットがわかるようになりました。これがわかるとi-DMの点数が一気に上がります。ある程度ブレーキを効かせていくとブレーキパッドとブレーキローターとの摩擦力が増えてこすれる感触が伝わってくる場所があって、そこに入るとi-DMが青点灯します。踏み込み量が少なくても微小なコントロールさえできればあとは慣れの問題ですのでさほど不自由しません。

あとは停止直前のブレーキの戻しですが、こちらはまだ慣れていません。ブレーキの踏み込み量が少ない中で微小なコントロールが求められますので、なかなか難しいです。

2017年12月20日水曜日

アクセラ1.5Lの乗り方

人に運転の仕方を指南するほどの腕前ではないのですが、こういう乗り方なら非力な車であっても乗りこなせるのではないかというのを考えてみました。基本的には車にパワーが無かったら技術で対応するしかありません。

1.人や物を乗せすぎない

2人乗車くらいでしたらそこそこ走ります。3人+荷物多めですと街乗りで期待したほど加速せずアクセルを踏み込むことになります。2人乗車で150kgくらい、3人+荷物多めで250kgくらいですので、追加の100kgが重荷になるようです。

2.アクセルを躊躇なく踏む

1.5L自然吸気エンジンですのでいまどきはやりのダウンサイジングターボと違って低回転でのトルクは細いです。トルクを太くするためにも回転数でパワーを稼ぐためにも、意図した加速度に達するまでアクセルを踏み込む必要があります。しかも、マツダのエンジンは燃費性能重視で排気量当たりの出力が低めですのでなおさらです。幸いSkyactiv-Gは高負荷で燃費の良いエンジンですのでアクセルを踏んでも燃費が悪くなりません。また、アクセラ1.5Lはローギアードなためエンジン音が勇ましくて錯覚しがちですが、体感加速度は高くても実際の加速度は大したことありません。

アクセルペダルを踏む際には、ペダルを踏み込む速度が一定になるように踏み込んでいって、意図した加速度に到達したらアクセル固定、意図した速度に近づいたら徐々にアクセルを抜きます。さすが自然吸気ガソリンエンジンだけあってターボラグがなく、アクセルの踏み込み量と加速度がリニアですのでコントロールしやすいです。

幸い、アクセルをベタ踏みしなくても、ある程度アクセルを踏み込めば公道で必要な加速はできます。加速、減速、横Gともに、公道での乗り心地の指標である0.2G程度でしたら十分に対応できます。

3.一気に加速して早めに巡航速度に乗せる

加速中はエンジン回転数が高くなりますのでエンジン音がうるさいですが、巡航速度に達すれば小さいパワーで動かすことができるために高めのギアでエンジン回転数を落とすことができ、静かになります。一般道でしたら発進時からの加速に要する時間は5秒から10秒くらい、高速道路の本線料金所で時速20kmから時速100kmまで加速するとなると15秒くらいでしょうか。

加速時にはエンジンの効率の良い範囲を活用し、巡行時にはエンジン回転数を落とすのが最も燃費が良いです。ダラダラ加速すると加速時間が長くなりますので、意外とエコではありません。アクセルを踏み込んでしっかり加速するといっても0.2G程度でしたら燃費に悪影響はなく、同乗者にも負担がかかりません。

アクセラ1.5Lは体感加速度と実際の加速度との間にギャップがありますので、体感加速度に惑わされずに実際の加速度を知るためには加速度の測定が必要です。加速度を測定するためには、速度計の針を読むよりもGモニターを見る方が簡単かつ直感的です。それに、上位グレードだと速度計がデジタルですので速度の変化を読みにくいです。レーダー探知機はGPSを使えない場所で位置を特定するために加速度センサーを内蔵していますので、Gモニターを表示させることができます。できればマツダコネクトでもGモニター表示機能をつけてほしいところです。

4.曲がれるからといって乱暴に曲がらない

アクセラ1.5Lはノーズが軽いため、ハンドルを切ればそこそこ曲がれてしまいます。しかしだからといって急ハンドルを切れば同乗者に不快な横Gが発生しますし、車のシャーシ性能を引き出せません。通常通りに早めに減速して早めにステアリングを切り始めれば、驚くほど小さなステアリング切り角で曲がれて抵抗損失が小さくなりますし、同乗者にも快適ですし、結果的に速くなりますので良いことずくめです。

5.コーナー出口で加速する

Gを滑らかに変化させるためにも姿勢を安定させるためにも、コーナー中心を過ぎたら加速が必要で、当然のことながらコーナー出口で加速するためにはコーナー入口で減速する必要がありますし、コーナー出口で早めに加速するためにはコーナー入口で早めに減速する必要があります。

もともと非力で遅い車ですが、公道のコーナー出口で加速する程度ならどうということはありません。また、コーナリングはパワーに頼らず技術である程度対応できます。

6.ブレーキは深めに踏み込む

アクセラのブレーキは少し踏んでもほとんど効きません。ある程度踏み込んでいくと踏力の立ち上がるスポットがあります。そこで踏力を一定に保ちながら減速するとi-DMで青点灯させることができ、一段ブレーキで停止できます。ダラダラと減速すると時間を無駄にします。エンジンが非力であってもブレーキの性能は一緒ですので、それを活用して時間を無駄にしない運転をすれば、その分速くなります。

ブレーキ力の微小なコントロールが容易ですので停止時にブレーキを戻すのも楽です。デミオよりも良いブレーキパッドを使っているのでしょうね。

7.高速道路では極力速度を一定に保つ

パワーがありませんので追越加速は絶望的ですが、速度を一定に保っていればパワーは必要ありません。クルーズコントロールをつけていれば労せずに速度を一定に保つことができます。速度を一定に保つためには周囲の車の位置を把握しながら走りやすい位置取りをする必要がありますが、道路が混雑しているとこれがなかなか難しく、バスドライバー並の技術が求められます。

アダプティブクルーズコントロールを使うと速度を一定に保つということからは少々逸脱しますが、それでも加減速が緩やかになりますので、さほどパワーが必要ありません。追越加速に時間のかかる車ですので、前の車に追随しながら追い越し車線が空くまで待つ必要がありますが、そういうときにはアダプティブクルーズコントロールがあった方が便利です。幸い、アクセラ1.5Lは本体価格が安いので、メーカーオプションをいろいろつけても上位の車種よりは安いです。

アクセラ1.5Lが最も苦手としているのは高速道路ですので、高速道路での運転が快適になれば実用的になります。また、走る曲がる止まるの基本がしっかりしていて、意のままにコントロールできると感じられれば、ゆっくり走っても気持ちよいものです。

2017年12月19日火曜日

BMアクセラ1.5L前期型で高速道路を走ってみました

アクセラ1.5Lは一般道でゆっくり走る分には体感加速度が高くて(実際の加速度は全然高くありませんが)楽しくかつ免許に優しく走れるのですが、重い車体を非力なエンジンで加速させるためにローギアードになっていて、かつてレンタカーで借りたときに高速道路を走ってみたところエンジン音がうるさい割に追越加速の際に全然加速しなくて、これで長距離を走るにはつらそうに感じました。

今回高速道路で250kmほど通しで走ってみたところ、以前の印象とは異なり意外と楽に走れました。同じ車なのにどうしてこんなに印象が違うのだろうと推測するに、まず、ある程度走り込んでエンジンが滑らかに回るようになるとエンジン音がさほど気にならなくなります(ディーゼルエンジンでも同様です)。エンジンはある程度回さないと調子が出ないようです。

もう一つ思い当たるのは、2015年夏の商品改良でATの制御が変更になり、燃費を稼ぐために積極的にシフトアップするようになったことでしょうか。アクセルを踏み込むと一気に3000回転くらいまで上がってエンジン音が大きくなるのですが、巡行時には1500回転くらいまで落ちて静かになります。後期型ではさらに静かになっています。

次が季節によるもので、冬の空気は冷たくて乾燥しており夏の温かく湿った空気よりも空気の密度が高いため、その分多くの燃料を噴射することができます(ディーゼルエンジンでも同様)。ただしトルク増大や燃費向上には貢献するでしょうが、高速走行時にはエンジン回転数と速度とが比例しますので、せいぜい追越加速の際に効果が出るくらいでしょうか。

あとはあまり確証がないのですが、レギュラーガソリンのオクタン価のばらつきによるものでしょうか。Skyactiv-GはRON90のレギュラーガソリンで圧縮比13、RON95の欧州レギュラーガソリンで圧縮比14で、ノッキングセンサーで圧縮比を調整しているようですので、たまたまオクタン価の高いガソリンが入っていればその分走りが良くなります。しかし給油したガソリンのオクタン価を測定する手段がありませんので、検証のしようがありません。

時速100kmで走行車線を巡航する場合、デミオディーゼルだとバスのような乗り心地で退屈なのですが、アクセラ1.5Lで時速100km出すと速く走っている感じがして退屈しません。もちろん長距離での疲れ方は全然違っていて、デミオディーゼルだと1日で高速道路を700kmくらい走っても「もう着いたの?」というくらいにあっさり着いてしまい、東京から名古屋や仙台くらいなら新幹線よりも車の方が荷物を持って移動したり混雑する電車を乗り継いだりしなくてよい分だけ楽だと思うのですが、アクセラ1.5Lで700km走る気にはなれません。もっとも、東京から250km圏というと、浜松、松本、長野、長岡、郡山、いわきあたりで、行楽で出かけるなら概ねカバーできます。

高速道路での乗り心地についてはデミオよりもアクセラの方がすぐれています。ホイールベースもドレッドも大きいですし、シャーシ性能も上ですので車格相応の差があります。車体が重いのも高速安定性には有利です。パワーだけでいえばアクセラ1.5Lよりもデミオ1.3Lの方が余裕がありかつハイギアードなのですが、デミオで時速80kmを超えると急激にロードノイズや風切り音が大きくなりますので高速道路で長時間走行すると疲れます。ただし、乗り心地が良いといってもデミオよりはという程度で、高速道路であっても細かい凹凸を踏むと跳ねます。もっともこれは16インチホイールとエコタイヤとの組み合わせのためかもしれず、タイヤを変えれば印象が異なるでしょう。同じアクセラでも18インチホイールを履いた上位グレードだともっと乗り心地が良く感じます。

パワーに余裕が無いという1.5Lエンジンの弱点を補うためにはアダプティブクルーズコントロールの使用が効果的で、パワーが必要な加速の機会を減らせばその分快適に走れます。追越加速の際にはやはり厳しいのですが、余裕をもって追い越せるタイミングまで先行車に追従して待っていればよいので、そういう点でも速度を一定に保つだけのクルーズコントロールよりも先行車に追従できるタイプのクルーズコントロールの方が効果的です。

高速道路での長距離の移動を楽にこなせるよう対策を取れば非力な車であってもそこそこ使えてしまいますので、浮いた予算を安全装備や快適装備に振り向けることができます。安全装備てんこ盛りで新車の乗り出し価格(値引き無し)を計算してみると、アクセラ1.5LとCX-3の2LとデミオディーゼルのAWDがほぼ横並びで270万円くらいです(いまどきの車は高いですね)。実質2人乗りと割り切るならCX-3でもよくて、エンジンにお金をかけるかシャーシにお金をかけるかデザインにお金をかけるかは好み次第です。

2017年12月10日日曜日

BMアクセラ1.5L前期型でまとまった距離を走ってみました

近所に買い物に行くだけでも気持ちよい車ですが、やはりある程度まとまった距離を走ってみないと車の素性がよくわかりませんので走ってみました。市街地少々、高速道路少々、残りは比較的信号の少ない一般道です。

【エンジン音】
スタートボタンを押すといきなりガーガーうるさくてびっくりするのですが、ある程度エンジンを回してオイルが回ってくると静かになります。低速走行時には当然のことながらディーゼルエンジンよりも静かです。

青信号発進の際には3000回転近くまで上がりますが、意図した加速度、アクセルの踏み込み量、エンジン回転数、エンジン音、および実際の加速度がリニアなせいか、さほど不快に感じませんし、一気に加速して巡航してしまえば加速時間が短いため、意外と気になりません。

【発進時】
アクセルペダルを踏んだら踏んだ分だけリニアに加速しますので、エンジンが勢いよく回るのを除けば問題ありません。むしろターボラグのあるデミオディーゼルの方が発進時に気を使います。

【停止時】
踏んだら踏んだ分だけ効くリニアなブレーキですので、弱く踏むと最初はブレーキが効かずに戸惑いますが、慣れればむしろ扱いやすいです。踏めばきちんと止まります。デミオよりもホイールベースが長い分、つんのめる感じがせず、自然に止まれます。街乗りではアクセラのガソリンエンジン車の方が扱いやすく感じます。

【アイドリングストップ】
ガソリンエンジンですので停止時もエンジン始動時も滑らかです。

【乗り心地】
シャーシの性能が違いますので、もちろんデミオよりも乗り心地は良いです。近所に買い物に行くだけでも気持ちよいのはひとえにこのシャーシ性能によるものと思われます。

しかしアクセラの場合、16インチホイールよりも18インチホイールの方が乗り心地が良く感じられます。16インチホイールだと段差を越えたときの衝撃が大きいですが、18インチホイールだと段差に気づかないくらいです。理由を推測するに、もともとアテンザやCX-5向けに開発されたシャーシがベースになっているため、アクセラ向けにアレンジされているとはいえ、車体が軽くなったりホイールが小さくなったりすると本来の性能を発揮しにくいのではないでしょうか。

【コーナリング】
2.2Lディーゼルターボエンジンを積めるボンネットに1.5L自然吸気ガソリンエンジンを積んでいますので、ノーズが軽くて簡単に曲がります。デミオディーゼルだと教科書通りにきちんと運転しないと曲がりませんので気を遣うのですが、アクセラ1.5Lはいい加減にハンドルを切ってもぬるぬる曲がりますので、曲がるのは楽です。しかし裏返せば、コーナリングで意識的に運転しないといつまで経っても上達しないともいえます。

高低差の少ない海辺のワインディングこそがこの車の真骨頂だと思います。ノーズの軽さを活かして山道の下りでも比較的速く走れます。

【連続登り勾配】
さほど距離は長くありませんが勢いで登り切れない程度の上り坂を上ったところ、4000回転くらいまで上がりました。一瞬ならまだしもこれがひたすら続くのは耐え難いです。ディーゼルエンジンでしたら平坦路と同じように上れてしまうのですが、低排気量ガソリンエンジンだとさすがに苦しいです。ガソリンエンジンならどれも似たようなものかもしれませんが。

【高速道路】
走行車線を巡航する分にはパワーが必要ないので問題なし。追越加速できないことはないものの、高速道路での巡航速度から先の余裕は全くないので、基本的には走行車線を巡航する前提の使い方になるでしょう。

首都高速のように巡航速度が低めでコーナーがきつい道には合っているのではないでしょうか。

【燃費】
巡航時間が長かったものの加速時には一切我慢せずに走って18km/L程度。JC08カタログ燃費が20.6km/Lで、八掛けで16km/L強ですので、思いのほか燃費が良かったです。近所への買物で乗ったときには10km/L程度でした。

【総評】
積極的にエンジンを回したり曲がりやすかったりするのでゆっくり走っても車を走らせている感覚を味わいやすいという意味で、ファミリーカーの皮を被ったゴーカートのような車です。DEデミオ前期型も転がして遊ぶ分には楽しい車ですが、やんちゃなDEデミオ前期型と比べてBMアクセラ1.5L前期型はもっと上品かつ実用的な車です。

重い車体に自然吸気1.5Lエンジンの割には意外とまともに走ると感じました。ただし余裕は全くありませんので、荷物が多かったり3人とか4人で乗ったりすると苦しそうです。1.5Lでまともに走るのはせいぜい2人乗車くらいまででしょうか。実質2人乗りと割り切るなら同じ予算でデミオディーゼルのAWDやCX-3の2Lガソリンエンジン車を買えてしまい(どれも安全装備てんこ盛りで乗り出し270万円くらい)、これらの方がパワーに余裕があるものの、アクセラの方が乗り心地が良いですし街乗りに向いていますので、あとは用途次第でしょうか。

2Lだともう少し余裕があるはずですが、日本の公道の速度域では、車格や価格の差に見合った走りの違いはあまりなく、2Lの方が余裕があるのと車格が上の分装備が良いくらいではないでしょうか。今ではアクセラ1.5Lでも装備の充実した上位グレードがありますし、余裕と称せられるものの大半はトルクによるものですので、2Lガソリンエンジンをやめて1.5Lディーゼルエンジンにしたのもわからないでもないです。

アクセラ1.5Lと同じ予算でデミオディーゼルを買えるということは、アクアと同じ予算でアクセラ1.5Lやインプレッサ1.6Lを買えるということでもあります。プリウスよりも二回りくらい安いです。もちろん燃料コストと税金が異なりますが、年間1万km乗るときの燃料コストはインプレッサで12万円程度、アクセラで9万円程度、アクアで6万円程度です。ちなみにデミオディーゼルだと4万円程度です。10年前20年前と比べて普通のエンジンの燃費性能も著しく向上していますので、この程度の差で済んでいます。税金は年間2万円程度の違いです。装備の差や値引きや下取りを考慮すれば年間数万円は誤差の範囲でしょう。走行距離が短いと車両価格の差を燃料コストで取り戻すことができませんので、トータルコストではプリウスよりもアクセラ1.5Lやインプレッサ1.6Lの方が有利ではないでしょうか。

アクセラはG-ベクタリングコントロール搭載の後期型が出てから前期型の中古価格が下落しており、今では100万円台前半で15Sの中古を買えるようです。アクセラ1.5Lは前期型の方がバランスが良いので、状態の良い中古車を掘り当てることができれば良い買い物かもしれません。