新車6ヶ月点検を受けたのがマツダコネクト交換作業開始の直後だったこともあり、点検のついでにマツダコネクトを交換してもらえました。点検の合間の作業であっても、点検込みで1時間で作業が完了しましたので、マツダコネクト交換だけならさほど時間がかからないようです。
尚、これから購入するアクセラやデミオには新しいマツダコネクトが装着された状態で納車されるとのことです。ディーラー店頭の試乗車のマツダコネクト交換はまだでしたが、これもじきに交換されることでしょう。交換後のマツダコネクトはマイナーチェンジ後のアテンザやCX-5、およびCX-3や新型ロードスターについているものと同じですので、これらを試乗すればイメージをつかみやすいでしょう。
交換作業には立ち会いませんでしたので、どのような手順で何をしたのかはさっぱりわかりませんが、「システムが初期化されますのでカーナビの目的地やお気に入り等のデータはすべて消えます」と言われました。バージョンを表示させてみたところ、55.00.650JPMとなっていました。ミュージックデータベースのバージョンは00.05.000であり、これが最新のようです。尚、ミュージックデータベースのファイルもNNG製とMicware製とで仕様が異なるようです。
【USBメモリによる音楽再生】
まずiTunesライブラリをまるごとコピーしたUSBメモリを挿してみると、しばらくデータを読み込んだ後、iPodを接続しているのと同じように音楽を再生できるようになりました。シャッフル再生もまともにできていて、エンジンを始動するとエンジン停止時の曲と再生位置から再開されます。普段はiPodを挿しっぱなしにしてシャッフル再生していますので、USBメモリでも同様に普通にシャッフル再生できればとりあえず十分です。これでiPodを持ち込まずにUSBメモリを挿しっぱなしにして音楽再生できますので、マツダコネクト交換の主要な目的は達成されました。
たまに同じような曲が連続することがあり、よく見ると、リピート再生は有効なままですが、シャッフル再生が無効になっています。再度シャッフル再生を有効にすると元に戻りますが、どのような状況でこれが再現するのかよくわかりません。
同じ音量目盛りだと音が大きくなり、音量目盛りを10から5くらい下げて使うようになりました。
【ahaやStitcher】
音源選択画面ではahaやStitcherもありましたが、試していませんので、使い勝手がどのように変わったかまではわかりません。これらのネットラジオの場合、ある程度ストリームをバッファしないと使い物になりませんし、回線が細いとデータ転送が追いつきませんし、電波を掴めなければデータ通信もできませんので、あまり実用的ではないと感じます。ahaのコンテンツ自体には満足していますが、車で再生するのにはあまり向いていいないのではないでしょうか。
【カーナビ】
NNG製のカーナビが不評とのことで、Micware製に交換されました。今までのNNG製のカーナビでもさほど不満はなかったのですが、マツダコネクトを交換すると必然的にMicware製になります。全く別のカーナビになりましたので、地図の表示画面がすっかり変わってしまい、目的地入力の操作方法も変わってしまいました。使い勝手を一言で言うならば、安物の国産カーナビのようなものになったという印象です。
《地図データ》
2014年秋版とのことです。2015年春に中央環状品川線を始めとして高速道路が相次いで開通しましたが、その分は反映されていません。高速道路は道がわかりやすいため、カーナビの案内が無くても道に迷うことはありませんが、ナビが道路だと認識しない所を勝手に通ることになりますので、ナビのルート案内が混乱をきたします。
《地図の表示》
単に慣れの問題かもしれませんが、NNG製のナビでも地図の表示にはさほど不満は無く、単に国産ナビとは見え方が異なるだけではないかと思っておりましたが、改めて国産ナビ風の地図表示になると、まだNNG製のナビの方が道がわかりやすかったような気がします。Micware製ナビでは、高速道路、国道等の幹線道路が太く表示され、県道は細く表示されますので、ある程度拡大しないと県道のルートが見えません。ナビの誘導通りの道を走るのでしたらさほど問題ありませんが、地図表示だけで自分でルートを選びながら走ろうとすると道が見えにくいです。
《縮尺の自動拡大縮小》
地図の縮尺の自動拡大縮小についてはNNG製の方がよくできていたと思います。曲がりくねった道で縮尺が小さすぎると直進するはずなのに右折ないし左折するかのように見えてしまい、道を間違えるおそれがあります。交差点付近では縮尺が拡大される代わりに2画面表示になり、これはこれで便利かもしれません。
《2画面表示》
2画面表示にすると、左側がメイン画面、右側がサブ画面になります。ナビと音楽の2画面表示にできる他、同じナビでも2D表示と3D表示を並列できるようになりました。2Dと3Dの両方を表示させることに特にメリットを感じませんので、デフォルトではナビと音楽の2画面表示に設定しましたが、当然のことながら地図表示が小さくなりますので、普段は2画面表示を無効にしています。
前述の通り、交差点付近では拡大図が右側に表示されたり、高速道路の分岐が表示されたりします。
《高速道路の入口と出口の選択》
高速道路の入口と出口を選べるようになりましたが、ルート探索で最初に表示されたインターチェンジの周辺のみから選択可能で、任意のインターチェンジを選ぶことはできません。最短経路を選択する分には特に問題ないでしょうが、渋滞を避けて迂回したりするときにはもっと気の利いたルート設定ができるとありがたいです。
中途半端に高速道路の入口と出口を設定すると、ナビが頑なにそのインターチェンジに誘導しようとして、別のルートを選んで走っても、常に折り返すよう誘導してきます。高度な機能の無いNNG製ナビだと早めに諦めてリルートしてくれたのですが、Micware製のナビは中途半端に利口になってしまったせいで逆に使いにくくなっています。もちろんナビの誘導通りに走る分には問題ないのですが。
《高速道路モード》
画面の右側に現在地から数個先までのインターチェンジがサービスエリアやパーキングエリアが表示されるのはNNG製ナビと同様ですし、それぞれまでの距離が表示されるのもNNG製ナビと同様です。Micware製の場合、それぞれのインターチェンジ等の通過予定時刻が表示されますので、すぐに休憩するか、もうしばらく先まで我慢するかを選ぶことができます。特にトイレをどのくらい我慢できるかについては、距離よりも時間で表示された方が直感的です。
《音声案内》
NNG製では合成音声だったのに対し、Micware製では肉声データになったとのことですが、もともと音声案内は全然期待していませんので、肉声データになったからといってあまり違いを感じません。隠しコマンドで音声案内が広島弁にでもなれば話は別ですが。この手の音声案内もフォントみたいに自由に作れたり、好きなものを購入できたりすると便利かもしれません。
《ルート選択》
NNG製ナビでは「時間優先」「距離優先」「一般道のみ」「幹線優先」等のそれぞれのルートが表示されましたが、Micware製ナビではルートが4種類表示されます。取扱説明書を見てみると「推奨」「有料道路優先」「一般道優先」「距離優先」の4種類だそうですが、画面表示を見てもどれがどのルートに相当するのかわかりにくいです。
《狭い道への誘導》
https://www.fastcloud.jp/mazda/web/faq/faq650.htmlによると、変更点の中に「狭い道への案内を回避」という記述があります。一般道ではまだあまりカーナビを使っていませんが、今のところ極端に狭い道へは誘導されていません。思い起こせばNNG製ナビのときには、時間優先や距離優先でとんでもなく狭い道に案内されたことが何度かあって、あまりに狭い路地なのでよもやそこを通るとは思いもよらず、入口を見失ったこともありました。5ナンバー車体でも曲がれないような角を曲がるよう誘導されたり、5ナンバー車体でもミラーを畳まなければ通れないような道へ誘導されたり、一度入ったら二度と出られない道に誘導されて、ミラーを畳んだ状態でバックで脱出する際に死角にあった突起のせいで後ろのバンパーに少し傷がついたりしたこともありました(普段は狭い道を通ってもこすらないのですが)。逆に、敢えて「落ちたら死ぬ林道」を通りたい場合でも、ちゃんと案内してくれて、それはそれで重宝しました。
NNG製ナビにさほど不満がないとはいえ、狭い道については苦労しました。おかげで狭い道での運転操作については随分鍛えられました。日本には特に田舎を中心に徒歩時代の路地がたくさん残っており、いち早く馬車社会になった欧州からは想像がつかないのかもしれません。
《システムの安定性》
データ圧縮率を下げて圧縮データ展開のために費やされた計算機資源を開放したことで安定性が向上したようです。まださほど使っていませんが、今のところ走行中にナビが落ちたことはありません。NNG製のナビの場合、経由地点をいくつも入力して複雑な経路を取ると処理が追いつかなくなって落ちましたが、Micware製のナビでどこまで経路を複雑にしたら落ちるのかはまだ試せていません。もしかしたら狭い道への案内を回避するのは検索経路を減らして負荷を下げるためでもあるのかもしれません。
ナビとしては普通の国産ナビよりも劣るものの、国産ナビに慣れた人にとってはとっつきやすくなったのではないでしょうか。特にアクセラは「車は最高ナビは最低」とか「マツダコネクトが嫌だからアクセラを買わない」とかさんざんな評価で、せっかく車の出来が良いのに日本国内での売上が低迷して幻の名車になってしまいましたが、これで多少はましになったでしょうか。
【SDカード】
せっかくですのでSDカードを取り出して中を覗いてみました。中にはKWIという拡張子のファイルだけが10数個入っており、サイズは合計で8GB強でした。尚、NNGナビのSDカード内のデータサイズは1.8GBです。NNGナビ用のMazda Toolboxを起動しましたが、認識されませんでした。もうNNG製のナビには戻れませんのでMazda Toolboxを使う機会もなく、アンインストールしました。結局地図データの更新は一度もできないまま終わってしまいました。Micware製ナビの地図データを更新する術は今のところありませんが、これもいずれ何らかの形で実現することでしょう。ただし、NNGナビの地図データよりもデータサイズが大きくなっていますので、結構大きなファイルをダウンロードすることになりそうです。