2014年11月5日水曜日

デミオの塗色について

デミオには「これが決め手」という色がなかなか無くて、色選びに悩みます。カタログ等の写真で見る限りではソウルレッドがダントツできれいなのですが、写真と実車とでは見え方が異なります。実車での見え方を基準にするとなかなか絞りきれません。当ブログではこのエントリーが最もアクセス数が多く、他の方も色選びで迷っていらっしゃるのではないかと推測します。

たしかにカタログの色はきれいなのですが、実車での見え方に合わせてくれないと色選びを間違える恐れがあります。ディーラーで見せてもらえる色見本だと実車と同じ見え方なのですが、A4サイズの四角い紙ですので実車でのイメージが湧きません。色選びに際しては実車を見て決めることを強くお勧めします。

塗色については、ウェブや紙のカタログに記載された色は実車で見える色よりも明るく見えてあまり参考になりませんので、実車を見たときの感想をご報告します。メーカーへの発注時までに決めなければなりませんので、色選びは結構大変です。尚、売れ筋はソウルレッドとスノーフレイクホワイトパールマイカとジェットブラックマイカなのだそうです。自分でデミオの実車を見た中で一番多いのはソウルレッドで、次はダイナミックブルーマイカ、その次がディープクリスタルブルーマイカです。

【現行塗色(2016年秋現在)】
1.ソウルレッドプレミアムメタリック

マツダイチオシの色で、売れ筋でもあるようです。魂動デザインはソウルレッドと一体でデザインされていますので、最もバランスが良いです。今までアテンザやアクセラの実車で見る機会がありましたし、デミオの実車でもよく見かけます。一般に濃色系の塗装の方が光沢感があり、明るめの色だと光沢感が乏しいためにむしろ暗く見えるものですが、ソウルレッドの場合鮮やかさと光沢感とが両立していますので、とても目立ちます。たしかにきれいな色で、造形も生きる色なのですが、かなりの光沢感ですので、特に晴天のときや上から照明が当たっているときには、光の当たり具合によってはギラギラします。乗っている人よりも車の方が目立ちそうな色です。マツダのウェブページやカタログに出ている写真ではぎらつく感じが見えませんので、是非実車で確かめてみてください。

2.マシーングレープレミアムメタリック

最近はマツダはこの色を推しているようで、デミオディーゼルのフロントグリルの差し色もソウルレッドからマシーングレーに変更になりました。光に当たると金属のような光沢が得られるのが特徴ですが、光が当たらないと単なる濃いグレーです。

マシーングレー導入に伴ってメテオグレーマイカが廃盤になりましたが、たしかに両方とも濃いグレーですので、ある意味順当でしょう。

3.スノーフレイクホワイトパールマイカ

白には色が褪せる営業車の白と色が褪せない高級車の白とがあって、これは後者です。アウディの透き通った白とメルセデスのクリームがかった白との中間です。車体のプロポーションがよくわかる色ですので、たしかによく似合います。また、テールランプや窓といった種々のパーツが引き立つ色でもあります。先代のデミオも意外と白の似合う車でしたが、今度のも単体で見れば似合っています。ただし、今度のはフロントグリルが大きいため、メルセデスのちんちくりんみたいに見えてしまいます。最近のアウディやメルセデスに多い色ですので。

4.ソニックシルバーメタリック

2016年秋にアルミニウムメタリックの代わりに導入されました。シルバー系のくせに渋い色だったアルミニウムメタリックとは打って変わって、トヨタ車のような明るくて無難なシルバーになりました。白とグレーの中間くらいの色です。明るい色に変えたのはマシーングレーと被らないようにするためでしょうか。トヨタ車のシルバーと見比べてみると、ソニックシルバーの方が若干艶やかな印象で、光の当たり具合によってはセラミックメタリックに似た色合いに見えます。少し青が入っているのでしょうか。

5.ディープクリスタルブルーマイカ

カタログでは明るめの紺に見えますが、実車では黒に近い暗い濃紺です。アクセラとCX-5の実車で見ました。かなり暗い色ですが、光が当たらない状態では黒のようでいて微妙に黒ではなく、日中に光が当たると控えめに反射します。暗めの色ほど光を反射させますので、夜間に照明が当たると一転してきらびやかな色になります。暗い色を好むなら黒よりもこちらの方がきれいです。側面のプレスラインや窓が目立ちにくくなりますので、塊感が増します。アテンザのような大きな車には暗すぎて合わないのですが、デミオのような小さくて後ろが丸っこい車だと調度良いです。紺は経年劣化が目立ちにくい無難な色で一昔前までのVWに多かった色です(昔のBMWでよく見かけた紺はもう少し明るめだったような)。当たり障りない造形の車が紺色だともうどうしようもないくらいに地味で、フロントの地味なCX-5だと地味すぎる印象なのですが、アクセラやデミオのようにフロントグリルが大きくて前方に突き出している車の場合、塗装が少し地味なくらいの方がバランスが取れます。窓が目立たない一方で、フロントグリルの周りのメッキの縁取りやホイールといった明るい金属部品が引き立つ色です。

濃色系の色は傷や汚れが目立ちやすいので、洗車の際には機械を使わずになるべく手洗いする必要があって、意外と手間がかかります。デミオはハッチバック車の宿命で車体後部が汚れやすいのですが、泥埃が付着すると煤けて見えます。雨の日や雪の日に走らせると結構汚れます。

6.ジェットブラックマイカ

ディーラーの試乗車で見かけました。黒です。色の性質上、外板の細かい造形は見えません。黒は高級車や速い車といったマッチョな車向けの色ですのでリムジンとかレクサスの上位グレードといった高級志向の車や走り屋系の車では黒をよく見かけるのですが、デミオは高級な車でもなければ速い車でもありません。

7.エターナルブルーマイカ

ディーラー店頭で展示されていた色見本で見ました。色見本とはいえ他の色を見る限りでは実車に近い色です。エターナルブルーマイカの第一印象は意外とブルーリフレックスマイカに近いというものでした。しかしブルーリフレックスマイカと見比べると青味が強くなったと同時に光沢感があり、地味だったブルーリフレックスマイカよりも少し鮮やかかつ深みのある色になりました。

その後実車も見る機会があって、見た目の印象はまさにVWゴルフでした。明るすぎず暗すぎず、落ち着いた色でした。

8.ダイナミックブルーマイカ

鮮やかな青です。ソウルレッドも鮮やかさを青にしたような感じです。ブルーリフレックスマイカは水色とグレーの中間、ディープクリスタルブルーマイカは黒に近い濃紺なのに対し、ダイナミックブルーマイカは青らしい青です。マッチョな造形の車だとキモオタブルーになってしまいますが、デミオの造形はマッチョではありませんし、マイカ塗装ということもあり、むしろプジョーの車みたいな感じです。

DJデミオから導入された新色ですので、最初は実車を見かけることがありませんでしたが、実車が走り出すにつれて実車を参考にできるようになったのか、数が増えてきました。

9.ディープクリムゾンマイカ

メディアに掲載された写真では阪急電車のような色に見えましたが、実車で見ても同じく阪急電車色でした。落ち着いた色合いですが、日本人の目には赤というよりもむしろ茶色にこげ茶と赤の中間くらいの色に見えます。

10.チタニウムフラッシュマイカ

ついに実車で見ました。茶色とグレーとの中間の色ですが、どちらかというとグレー寄りで、ぱっと見グレーのようにも見えますが、目が慣れてくるとだんだん茶色に見えてきます。不人気な色ですが、他に代わりになる色が無いためか、2016年秋の商品改良後もしぶとく生き残っています。

大きく分けると、だいたい以下のような感じです。
  1. 原色系:ソウルレッド、ダイナミックブルーマイカ、エターナルブルーマイカ
  2. 濃色系:ディープクリムゾンマイカ、ディープクリスタルブルーマイカ、ジェットブラックマイカ、チタニウムフラッシュマイカ
  3. モノトーン:スノーフレークホワイトパールマイカ、ソニックシルバーメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、ジェット・ブラックマイカ
中間色系のブルーリフレックスマイカとスモーキーローズマイカが廃盤になったことで、鮮やかな色と濃い色とモノトーンだけになりました。

以下、色について思ったことを記します。

1.外装は陳腐化する

新車のときは特に新車補正がかかっている分どの色だって大抵きれいに見えますが、塗料は劣化しますし、外板も少しづつくたびれてきますし、エクステリアデザインも陳腐化します。そのときにどう見えるかを知るためにはある程度使い込まれた実車を見てみる必要があります。一般に、薄い色ほど陳腐化が目立ちます。

2.外観の構成要素は外板だけではない

外板は外観の主要な構成要素ですが、それだけではありません。テールランプ、ウインカー、窓、ホイール、タイヤ、フロントグリルといった種々のパーツと外板との組み合わせによって外観の印象が決まってきます。

白のような薄い色は窓やフロントグリルといった暗い色のパーツを目立たせる一方、ホイールやフロントグリル周りのメッキの縁取りといった明るい色のパーツを目立たなくさせます。黒や紺のような濃い色は、窓のような暗いパーツを目立たせなくする一方で、メッキやホイールといった明るい色のパーツを目立たせます。

テールランプやウインカーの色は法律で決まっており、その色と合う色と合わない色とがあります。先代のアクセラスポーツでよく見かけた水色は単体ではそこそこきれいなのですが、後ろ姿に違和感を感じました。あのテールランプの形もさることながら、テールランプの赤との相性が良くないのでしょう。

3.周囲との調和

車は単体で存在するものでなく屋外で走るものですから、必ず周囲の景色があります。街なかでどう見えるのか、自然の中でどう見えるのか、晴れの日には、雨の日には、昼間には、夜にはそれぞれどう見えるのかといった様々な条件の中から自分の好みの色を見つけ出すのはなかなか大変です。Google画像検索でいろいろな写真を見てみると、どのような状況でどのように見えるのかわかりますので参考になります。

【廃盤の塗色】
1.ブルーリフレックスマイカ(2016年10月の商品改良時に廃止)

たまにアテンザで見かけますが、こちらの方が落ち着いた印象です。VWゴルフの水色に近い色です。この色のレンタカーを借りたことがありますが、カタログで見るよりも繊細な中間色で、青とグレーの中間のような色です。明るい色のようでいて実は濃い色で、DEデミオの水色よりも暗い色です。明るい場所では単なるくすんだ水色なのですが、曇りや雨の日の暗い場所でほんのり輝いて、存在感が増します。全長の長いアテンザと違って、デミオの場合は小さい分塊感があってより一層存在感があります。晴天率の低い地域や古い町並みに似合いそうな色です。落ち着いた色を好むけれどもグレーのようなモノトーンでは嫌という方に向いているかもしれません。

経年劣化したときにどのように見えるか気になります。DEデミオの明るい水色だと、車体が古くなったときに色が褪せて見えます。ブルーリフレックスマイカはもっと濃い色ですのでそこまで色が褪せて見えることは無いのではないかと想像するものの、なにぶん繊細な色ですので、少し色が褪せただけでも印象が違ってくるのではないかという気もします。

この色には人気が無いようで、たしかにスモーキーローズマイカやチタニウムフラッシュマイカと同じくらいの頻度でしか見かけません。

2.アルミニウムメタリック(2016年10月の商品改良時に廃止)

一番無難な色で、レンタカーだったらこの色でしょう。レンタカーで新型アクセラを借りたときにこの色でした。実車はカタログよりももっと暗い色で、ヴィッツやマーチのレンタカーのシルバーよりも深みのある色です。アクセラのレンタカーがこの色で来るとレンタカー色のくせに迫力があります。ということは、レンタカー色であっても臆することはないということでもあります。

3.メテオグレーマイカ(2016年10月の商品改良時に廃止)

アルミニウムメタリックと同様の無難な色なのですが、造形の目立たない色のためか、プレマシーやノート等の他車の実車を見てもいまいち魅力を感じません。一方、2代目アクセラや3代目プレマシーのような妖怪顔で造形に癖のある車の場合、これくらい地味な色で丁度良いです。特に2代目アクセラはこの色が好みです。アルミニウムメタリックでも十分に濃い色ですので、グレー系の色でしたらアルミニウムメタリックくらいで丁度良いでしょう。

4.スモーキーローズマイカ(2016年10月の商品改良時に廃止)

実車で見かけたときには、ブルーリフレックスマイカのピンク版のような印象を受けました。写真では紫がかって見えることもありますが、実車はピンクとグレーの中間です。色見本で見るとなかなか上品な色なのですが、路上では見慣れない色ですので、とても目立ちます。