2014年11月3日月曜日

新型デミオに試乗しました(その1)

新型デミオのディーゼル車に興味がありましたので試乗しました。比較のためにデミオ13S、アクセラXD、アクセラ15S Touringにも試乗しました。すべてATです。アクセラに試乗したのは、15S Touringにも興味があったのと、アクセラXDなんてレンタカーでは乗れませんので、試乗でもない限り乗る機会が無いからです。また、車のことには詳しくありませんので、同じ条件で他と比較してみないと特徴をうまく掴めないからでもあります。

試乗コースは付近を四角く一周するだけという教習所の路上教習初日みたいなつまらないコースです。そういう地区ですので仕方ありません。長い直線区間がありますので、アクセルを踏み込んで遊んだりできますが、ワインディングでの挙動を知ることはできません。これは実に勿体ないことで、まっすぐ走るだけなら他の車はいくらでもあります。

以下、順次感想を記します。

【デミオ13S】

  • ドアを開けたときの室内の空間の第一印象は先代のデミオと同様。後席の狭さも先代と同様。荷物室は容積は変わっていないはずなのですが、形状が工夫されたのか、先代よりも荷物を入れやすそうな印象を受けました。
  • 運転席周りの質感は大いに向上していて、ステアリングを握った瞬間から質感の向上を実感できます。
  • シフトレバーはSkyactiv-Driveの標準のみならず、いまどきのAT車によくある、Dレンジから右に倒すとマニュアルモードになるタイプです。多段ATのシフトレバーはこのタイプが一番使いやすいと思います。
  • 微速域での滑らかさは秀逸。たしかにそういう風に作りこんでるとのことですが、高級車ならともかく、同クラスの安物でいろいろ我慢させられる部分だけに、このクラスでこの滑らかさはそれだけでも感動します。
  • ステアリングフィールは良好。直進したいときにはぐらつかず、曲がろうとする意思を持つとスルスルと曲がります。不快な振動は伝わらない一方で、路面からの情報は伝わってきます。運転中には常時触れている場所だけに、この部分が気持ち良いと運転操作全体の気持ちよさが格段に増します。高級車なら当たり前かもしれませんが、これはBセグメントのデミオです。
  • 運転席からの見通しがよく、座面が高いこともあり、開放的な印象です。
  • 音は静か。ただし先代でもエンジン音は小さめで、時速80kmまでは静かでそれを越えるとロードノイズが急にうるさくなりますので、比較するなら時速80km以上での静粛性を検証する必要があるのですが、あいにく試乗コースでは時速80km以上出せる場所がありませんでした。
  • 信号待ちで停車したときにi-Stopの表示が点滅していましたので、てっきりアイドリングストップ動作中かと思いましたが、実は点滅時には動作していなくて、ブレーキをもっと踏み込んで初めてアイドリングストップになり(i-Stopの表示が点滅から点灯に変わります)、それまでエンジンが回っていたことにやっと気が付きました。アイドリング時のエンジン音はそれくらい静かということで、これは先代のデミオも同様です。
  • スポーツモードを試してみたところ、ギアが低くなって回転数が上がって必然的にエンジン音も大きくなるというよくあるタイプのもので、山道では使うかもしれませんが、街乗りでは不要です。スイフトのCVT車みたいにスポーツモードにしないとまともに加速しないわけではありません。
  • 先代Skyactivに比べてパワーもトルクも向上しているとのことですが、それは先代のSkyactivが非力だっただけで、パワーとトルクだけでしたら先代の非Skyactivの4AT車と同じくらいではないでしょうか。それでも十分によく走りますが。
  • 段差のある路面を中速で通過したときにリアサスペンションで突き上げを感じました。リアサスペンションがトーションビームだからというよりもむしろ、Bセグメント車は後輪への荷重が小さいため、そもそもサスペンションが仕事をする余地が乏しいためではないかと感じました。後席に人が乗っているとまた印象が違うかもしれません。
  • 前半分はかなり良くなっている一方で、後ろ半分は相変わらずデミオでした。後席や荷室の広さが先代並のみならず、ドアを閉めたときの音やリアサスペンションも先代並です。
  • 同クラスの国産コンパクトとはもはや同列に比較できない存在になっています。他の条件が一定ならデミオにしない理由を見出だせません。しかし街乗りでしたら乗車時間は短く、質感の違いの及ぼす影響も小さいわけで、ただ街なかを走るだけでしたら安いパッソだって意外とちゃんと走ります。
  • もちろん後席や荷室の広さに関してはフィットやノートには劣りますが、もし安くて後ろが広い5ナンバー車を求めるのでしたら、むしろCセグメントのカローラフィールダーの方がフィットやノートよりもはるかに使い勝手が良いのではないかと感じます。
  • ですので、車として優れているということが直ちに購入に結びつくかという点は慎重に考える必要がありそうです。
デミオ13Sだけで長くなってしまいましたので、一旦切ります。その2に続く