2022年11月13日日曜日

2022年10月マイナーチェンジのカローラの諸元表を見てみました

2022年11月12日にカローラのマイナーチェンジの試乗動画が解禁されたようで、いろいろな人が試乗動画を出しています。そういえばと思って諸元表をダウンロードしてみました。実際に運転してどうかについては試乗してみなければわかりません。

【パワートレイン】

ハイブリッドは最新のものに刷新。少し燃費が向上しています。かつてカローラツーリングのハイブリッド車に乗った際には意外と普通だなという印象で、ヤリスハイブリッドほどの魅力を感じませんでしたが、最新のハイブリッドシステムになってどう変わったか興味があります。

大きく変化したのはガソリンエンジンの方で、いずれもダイナミックフォースエンジン+ダイレクトシフトCVTが導入されました。カローラスポーツは2Lエンジンですが、セダンとツーリングはヤリスと同じ1.5Lエンジンです。

1.2Lターボエンジンは低回転でのトルクが太いのでダラダラ流して走る分にはすこぶる快適ですが、いざアクセルを踏み込んでみると排気量なりでしかなく見掛け倒しでしたので、「スポーツ」を名乗る車がこれで良いのだろうかと思いました。2L自然吸気エンジンを積んでやっと「スポーツ」らしくなりました。ヤリス1.5Lよりもさらにパワーに余裕がありますので、きびきびと走れそうです。

セダンとツーリングの出力とトルクは排気量なりです。重量が大きい分だけヤリスよりも最終減速比が少し高くなっており、低速力での加速力を補っています。では高速域での加速性能を犠牲にしているのかというとそうでもなく、発進時にはギア直結ですので無段変速部が若干高速寄りになっており、従来型の1.8Lエンジンと遜色なさそうです。ちなみに旧来の1.8Lエンジンは新東名での追い越し加速でも不足を感じない性能です。セダンとツーリングのガソリンエンジンで旧来のエンジンとCVTが採用されたのはコスト削減のためのようですが、ヤリスの数が出るようになったことから、ヤリス用のエンジンとCVTのコストがこなれてきたのかもしれません。Bセグメント車は利幅が小さいと言われますが、それでも必要とされているクラスですし、数が出ますので量産効果はあります。

【リアサスペンション】

セダンとツーリングでは、カローラクロスから導入されたトーションビームサスペンションが導入されており、エンジンが一回り小さくなったこともあり重量が40kgほど軽くなりました。パワートレインとあいまって、でかいヤリスになったようです。しかし、ヤリスの1.5Lエンジン車はパワーに余裕がありますので、日本の公道の速度域に合わせてその余裕を切り詰めれば一回り大きい車にも使えるのでしょう。カローラスポーツのリアサスペンションはダブルウィッシュボーンのままですので、車体が一回り小さいカローラスポーツの方むしろ重いです。

【室内寸法】

セダンとツーリングの室内寸法を見てみると、室内幅は車体幅が広い分だけカローラの方が広いですが、室内長と室内高は実はヤリスよりも少し小さいです。トランクルームにスペースを取られているようです。しかしホイールベースはカローラの方が長く、その分リアタイヤのタイヤハウスの飛び出しも小さいので、スペースをやりくりすればどうにかなっているのかもしれません。

【燃費】

ガソリンエンジン車ではパワートレインが刷新され、車体も軽量化されたため、大幅に向上しています。旧来の1.8Lエンジンよりもダイナミックフォースエンジンの1.5Lエンジンの方が燃費が良いのは理解できますが、意外なことに、1.2Lターボエンジンよりもダイナミックフォースエンジンの2L自然吸気エンジンの方が燃費が良いです。とりわけ郊外路と高速道路での燃費が著しく向上しています。ダウンサイジングターボをやめたのは燃費計測ルールの変更に伴うものでしょう。実燃費ベースで比較する場合にはダウンサイジングターボよりも自然吸気エンジンの方が有利というマツダの言い分が実証されています。

1.2Lターボエンジンの圧縮比が10、1.8Lエンジンの圧縮比が10.6なのに対し、ダイナミックフォースエンジンの圧縮比は13ですので圧縮比が効いていそうです。

【Mazda 3との比較】

さて本題のMazda 3との比較ですが、カローラセダンとMazda 3 1.5Lセダンと、カローラスポーツとMazda 3 2Lファストバックとをそれぞれ見ていきましょう。

まずは1.5Lから。パワー、トルク、重量、燃費ともにカローラ有利です。Mazda 3の1.5LエンジンはMazda 2に搭載された圧縮比14の高圧縮比タイプではなく旧来のエンジン(それでも圧縮比13)のままですので、高圧縮比エンジンを積めばカローラに対抗できる可能性があります。Mazda 3の1.5Lエンジン車はほとんど数が出ないために放置されているようですが、Mazda 2のエンジンが高圧縮タイプの統一されましたので、そろそろそちらに寄せた方がよいのではないでしょうか。排気量が同じですのでパワーとトルクは僅差ですが、燃費の差が重量の差よりも大きいのは、6ATの高速域での効率が劣るためでしょう。実際、郊外モードと高速道路モードの数字で大きく差がついています。

次に2Lですが、重量はほぼ同じですが、パワー、トルク、燃費ともにカローラ有利。こちらも郊外路や高速道路での燃費で大きく差がついています。マツダではMazda 2用の1.5Lエンジンの方がもともとの出来が良いうえ、さらに積極的に改良されているのに対し、2Lエンジンは放置気味です。Mazda 3の2Lエンジン車にはマイルドハイブリッドがついて燃費が若干改善した程度です。Skyactiv-Xと差をつけたいのかもしれませんが、Xは国産Cセグメント車の価格ではありませんので売れ筋の2Lエンジンをどうにかしないと売れないでしょうね。日本ではこのクラスの市場は限られており、足車として乗るなら2Lエンジンは必要ありませんし、もっとパワーを求める人は上のクラスの車を求めるでしょうから、このクラスで競っても定量的な影響はあまりなさそうですが、欧州ではまさに主力のクラスです。

カローラのマイナーチェンジ前はガソリンエンジンのパワートレインがSkyactiv-Xよりも古かったためにMazda 3の方が有利だったのですが、カローラがマイナーチェンジでダイナミックフォースエンジンを積んで逆転しました。販売台数からしてトヨタがマツダをライバル視する動機は全くないはずなのですが、そんなトヨタですら弱小のマツダを貪欲にパクるところにトヨタの底力を感じます。一方、マツダの1.5Lエンジンの斜め渦燃焼もダイナミックフォースエンジンのパクリなのではないかという気がします。ユーザーの立場では、各社切磋琢磨して全体のレベルが上がるのは歓迎です。

パクリといえばカローラツーリングWxBにマッシブグレーという専用色があり、さながらポリメタルグレーのパクリのような色です。とはいえ、自動車業界には色の流行があり、他社でも似たような色を採用していますので、一概にパクリとはいえないのかもしれませんが。

2022年11月12日土曜日

Mazda 3はなぜ売れなかったのか

レンタカーでBMアクセラ1.5Lに乗った後で改めてMazda 3に乗ってみると、内外装の質感や静粛性は全然違いますし、操縦安定性能についてもMazda 3の方がすぐれています。様々な面で良くなっており、BMアクセラとはレベルが違います。また、1.5Lエンジン車にパワーが無いのは否めませんが、2Lエンジンならゆったり流すこともできますし、エンジンを回せばそこそこ走ります。つくづく「いい車だな」と思います。

では運転して楽しいのはどちらだったかというと、BMアクセラ1.5Lだったりします。Mazda 3の2Lガソリンエンジン車に乗っているといつも「いい車なんだけど…」と思います。BMアクセラは前期型から後期型になってGVCが導入された際に前期型よりもどっしりとして静かな車になったという印象を受けましたが、今後期型をMazda 3と乗り比べると重量も質感も軽くていかにも日本車という印象を受けます。しかしそれでも車体とエンジンとのバランスが良く感じられます。一方、Mazda 3はSkyactiv-Gではエンジンが車体に負けている印象を受けます。例えるならばロードスターがポルシェになろうとしているような感じです。もしかしたらSkyactiv-Xを積んだ車だとエンジンの質感が高く、車体の質感とのバランスが取れるのではないでしょうか。

たしかに、BMアクセラはSkyactiv-Gを前提に開発された車ですし、BP Mazda 3はSkyactiv-Xを前提に開発された車ですので、本命のエンジンを積んだときに最もバランスが取れているのかもしれません。料理はバランスと言われますが、車も同様にバランスが大切なのかもしれません。

しかしそのSkyactiv-Xは走りの質感こそ絶賛されているものの、コストの高い補機をたくさんつけているせいでSkyactiv-Gよりも70万円高く、それでいて燃費性能の差はさほどなく、さらにハイオク推奨ですので燃料代ベースでの優位性はありません。動力性能と環境性能と操縦安定性能を高いレベルで両立させている車ならヤリスハイブリッドのようないまどきのトヨタのハイブリッド車がすでに実現していて、かつSkyactiv-X搭載のMazda 3よりも安いです。走りの質感だけのためにトヨタのハイブリッド車よりもさらに高い車を買えるのは熱烈なマツダファンくらいでしょう。

価格面で比較対象になるのはメルセデス・ベンツAクラスやFFになったBMW1シリーズかもしれず、「どれか好きな方を選んでいいよ」と言われたらSkyactiv-XのMazda 3を選ぶ可能性がありますが、ベンツを買う人はベンツであることに価値を見出しているでしょうし、BMWにしても同様です。そもそもこのクラスはさほど数が出ません。

現状では、Skyactiv-Xのコストがこなれておらず、本命となるべきだったSkyactiv-XのMazda 3を受け入れる人の数があまりにも少ないのではないでしょうか。当初の目論見では価格も燃費もガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の中間とされていましたので、もし目論見通りのコストで実現していたらもっと売れていたかもしれません。少なくとも、そのような選択肢がもしあったら自分で買うときにはSlyactiv-Xにしたことでしょう。

2022年11月6日日曜日

久しぶりにレンタカーでBM後期型アクセラに乗りました

レンタカーのクラス指定でインプレッサかヤリスハイブリッドかはたまたMazda 3かと期待していたところ、まさかのアクセラが来ました。2018年4月登録で4年半で9万km走った個体です。レンタカーは年間2万kmくらい走りますので、この時期に残っているアクセラならたしかにこれくらいの走行距離でしょうね。

【総評】

運転して楽しい車。パワーが乏しいので加速は全然よくありませんし、高速道路での追い越し加速は絶望的ですが、それ以外の場面では意外と走れてしまいますし、燃費も良好。アクセラもまだ捨てたものではありません。

【パワートレイン】

1.5Lですので加速は大したことないのですが、エンジンをしっかり回しますので、走らせている感はあり、体感的にはさほどストレスを感じません。また、一般道では他の車の加速も緩慢ですので、流れに乗って走る分には十二分です。少しアクセルを踏むだけで制限速度を超えてしまうような車よりも一般道では扱いやすいです。

高速道路では追い越し加速の性能は全然良くありません。基本的には一般道向けの車だと思います。

いまどき珍しい自然吸気ガソリンエンジン+ATの組み合わせですので扱いやすいです。

【ブレーキ】

個体差かもしれませんが、比較的深く踏み込まないとブレーキが効きません。Mazda 3だとある程度踏み込んでから踏力でコントロールするのですが、アクセラの場合はそうでもなく、ブレーキが甘い印象。

ATですのでエンジンブレーキは扱いやすいです。もともと最終減速比が高めでエンジン回転数高めですので、エンジンブレーキをかけると6000回転くらいまで上がります。

【操縦安定性能】

ノーズが軽いので曲がるのは比較的得意です。ただ、Mazda 3と比べてしまうとMazda 3の方がもう少し良いかなと思えてきます。

高速道路では安定して走りますので巡航速度高めでも走れます。今回はレンタカーでしたのでクルーズコントロール無しでしたが、追従型クルーズコントロールをつけて走行車線で流す分には楽に走れそうです。

【乗り心地】

足回りの当たりが完全に取れているせいか、Mazda 3よりは安楽な乗り心地です。タイヤが205/60R16というのもありますが。

【シート】

定評あるアクセラのシートですので運転しやすく疲れにくいです。この前レンタカーでヤリスハイブリッドに乗った際にはレンタカーグレードのシートが良くなかったのか背中が痛くなりましたが、アクセラではそのようなことはありません。

【静粛性】

エンジン音は意外と遮音されていますし、信号待ちで停車中にはロードノイズがなくて静かですが、ロードノイズが大きいので、Mazda 3と比べるとややうるさい印象。軽快な乗り味とあいまってMazda 3よりも少し下の車格の車というか普通の日本車に乗っているような印象を受けます。

【燃費】

特に燃費を気にしなくても18km/Lは走れますし、燃費に有利な条件なら20km/Lで走れます。Bセグメントのガソリンエンジン車並の燃費です。Bセグメントよりも一回り重い割には健闘しています。燃料タンクの容量が53L、実効容量45Lと大きめですので、満タンで900kmくらい走れます。

アクセラ1.5Lはこんなに燃費が良いのにどうしてMazda 3の2Lの燃費が悪いのか謎です。

【他車との比較】

アクセラ1.5Lと同じクラスの車というとインプレッサ1.6Lとカローラスポーツ1.2Lターボでしょう。どれも乗ったことがありますが、自然吸気エンジン+ATのアクセラが最も自然な加速感です。ダウンサイジングターボは低回転のトルクが太いのが魅力ですが、高負荷域では排気量なりです。インプレッサは素晴らしい車ですが、CVTに馴染めませんでした。高速道路の追い越し加速で非力なのはどれも一緒です。

Mazda 3との比較では、アクセラの方が軽いので軽快な走り。さすがに今ではレンタカー屋でも見かけませんが、BM前期型はもっと軽快でした。

2022年9月22日木曜日

もしSkyactiv-Xを発電専用エンジンにするなら

例によってエンジンのことを何も知らないド素人の素朴な疑問です。

Skyactiv-Xが難しいのは、圧縮着火できる領域が狭く、走行用エンジンとして使うためには火花着火との切り替えが必要だったり、理想空燃比での燃焼から瞬時に希薄燃焼に切り替えるためにスーパーチャージャーが必要だったりと、広い領域でエンジンを使用するためではないかと推測します。また、Skyactiv-Xの熱効率が従来型のエンジンに比べて著しく高いわけではないのは、非効率的な領域も使う必要があるからかもしれません。その結果、走行用エンジンとして使う場合には「走りは素晴らしいけれども費用対効果に劣る、物好きな人向けのエンジン」となってしまいます。

もしそうだとしたら、最も効率の良い圧縮着火できる領域だけで使う発電専用エンジンとして使う場合には各種の補機を省略してもっとシンプルなコストの安いエンジンにできる可能性があります。ロータリーエンジンも発電専用に使うならさほど燃費が悪くないのと同様です。

電気モーターだけで走るシリーズハイブリッドなら電気モーターの太いトルクで滑らかに加速できますので走りが良いですし、エンジンだけで走る車と違って回生ブレーキを使えますので燃費に有利です。エンジンにいろいろな補機をつけるくらいでしたら代わりにモーターといくばくかの蓄電池をつけた方が費用対効果が良さそうです。

発電用エンジンとしてロータリーエンジンと比較するなら、ロータリーエンジンほど小型軽量ではありませんが、熱効率では圧倒的に有利でしょう。

問題は発電専用エンジンにした場合に本当にシンプルで低コストになるかどうかです。日産がエクストレイルにe-Powerを導入した際には、わざわざ発電用に可変圧縮比エンジンを導入しています。これは低負荷時には(燃焼室容積を減らして)圧縮比を高めて熱効率を上げると同時に、高負荷時にには燃焼室容積を増やして(その分圧縮比を下げて)トルクを向上させることができるためとされています。エンジンにそのようなコストをかけることが許されるのでしたら圧縮着火エンジンを使うことも全く非現実的というわけではなさそうですし、最初からエンジンの排気量に余裕を持たせるなら可変圧縮比のような特殊な機構も必要ないのではないでしょうか。エクストレイルの発電用エンジンが1.5L3気筒ですので(北米や中国で走行用エンジンとして使われているものと同じ)、MX-30の発電用エンジンとしてすでにある2L4気筒のエンジンを積むなら排気量に余裕がありそうです。

2022年9月8日木曜日

久しぶりにレンタカーでMazda 2に乗りました

だいぶ前にMazda 2に乗ったことがありましたが、そのときは一般道しか走りませんでした。今回は高速道路も走りました。

小さな車体に1.5Lエンジンですからパワーに余裕があるはずなのですが、いざ乗ってみるとエンジン回転音の大きさが気になりました。Mazda 3の2Lエンジン車と同じくらいのパワーウェイトレシオですし、デミオ1.5Lと違って比較的低いギアを使って加速しますので、動力性能自体には特に不満がありませんでしたが、エンジン回転音が大きいせいか、パワーに余裕がなさそうな印象を受けました。山道を走る分には楽しそうですが、長距離を走ると疲れそうです。

もっとも普段乗っているのがMazda 3ですので車内の静粛性が全然違うのでしょう。Mazda 3は2Lエンジンはむろんのこと、1.5Lエンジンをぶん回しても遠くで鳴っているような感じです。この辺りは車格相応の差なのでしょうが、Mazda 2がフルモデルチェンジしたらどうなるか楽しみです(そもそもMazda 2が出るのかどうかもわかりませんが)。

上り坂ではシフトダウンしてエンジン回転数が上がりますが、坂の上まで来て勾配がゆるくなるとシフトアップして回転数が下がりました。アクセルを緩めたわけでもないのに自動で回転数が下がりましたが、一体どういう制御をしているのでしょう。勾配に応じた制御をしているのでしょうか。

レンタカー用の廉価版ですし、走行距離からして圧縮比12の従来型のエンジンのようでした。2022年1月の商品改良からはすべてのグレードで圧縮比14のエンジンを積むようになりましたので、もしそちらに乗っていればもっとトルクに余裕が感じられたかもしれません。いずれレンタカーでも圧縮比14のエンジンを積んだMazda 2が出回るでしょうから、いつか乗ってみたいものです。ヤリス1.5Lくらいのパワー感を期待します。

レンタカーでしたのでクルーズコントロールがついていませんでしたが、やはり高速道路ではクルーズコントロールが欲しいですね。

燃費は車載燃費計でも満タン給油でも18km/L程度。そんなに飛ばしたわけではないのですが。Bセグメントのガソリンエンジン車なら20km/Lには届いてほしいものです。

2022年8月7日日曜日

日本仕様のMazda 2にマイルドハイブリッドは搭載されるか

日本仕様のMazda 3の2Lエンジン車へのマイルドハイブリッド搭載が発表されたばかりですが、Mazda 3でできるならMazda 2でもできないものかと思います。マイルドハイブリッドを搭載することで1km/Lほど燃費を向上できるのでしたら、日本国内で売れ筋のMazda 2のガソリンエンジン車に搭載すれば企業平均燃費への効果を期待できそうに見えます。

とはいえ、現状Mazda 2にマイルドハイブリッドが搭載されているのは欧州向けMT車のみで、日本で主流のAT車にマイルドハイブリッドを搭載しようとしたら追加の開発が必要になります。開発リソースはラージプラットフォーム向けのSkyactiv-Xやスモールプラットフォーム向けのマルチ電動化ソリューションに重点的に配分されているでしょうから、先の長くない自然吸気ガソリンエンジンのために開発リソースを割く余裕がないのかもしれません。

よしんば開発リソースが割かれたとして費用対効果があるのかといえば、これも厳しそうです。Mazda 3の諸元データを見た限りでは、マイルドハイブリッドは市街地モードでは意外と効果が無くて郊外モードや高速道路モードの方が数字の伸びが良いです。BセグメントのMazda 2、とりわけガソリンエンジン車は街乗りの比重が大きいでしょうから、だとすると環境面ではさほど効果を期待できないのかもしれません。街乗りで効くのは低回転域のトルクですので、すでに導入済の斜め渦燃焼エンジンの方が効果を期待できるということなのでしょう。

そもそもBセグメントの自然吸気ガソリンエンジン車は登録車のボトムラインですのであまりコストを掛けると価格競争力を失ってしまいますし、小さい車ほど利幅が小さいので、たとえ売れても利益が出ません。マイルドハイブリッドには補機がつきますのでコストが上がりますが、ハイブリッド車の売れている日本市場でフルハイブリッド車との価格差が小さくなれば、だったらフルハイブリッドでいいやということになります。

では自然吸気ガソリンエンジンの他社の車との比較ではどうかというと、やはり国産Bセグメント車はレベルが高いですね。

ヤリスの1Lエンジン車とほぼ同等。ヤリスの1.5Lエンジンとの燃費差は平均で1km/Lくらい、とりわけ高速道路モードでは1.8km/Lも差がついています。廉価版ならヤリス1Lエンジン車とマッチできれば十分ですが、上位グレードならヤリス1.5Lエンジン車と同等のレベルを目指してほしいものです。

フィットの1.3Lガソリンエンジン車とほぼ同等ですが、郊外モードや高速道路モードの数字は劣ります。Bセグメント車で高速道路を走ることはあまりないでしょうから実走行ベースでの平均燃費にはあまり影響ないかもしれませんが、マツダの6ATの課題が浮き彫りになっています。

スイフトの1.2Lガソリンエンジン車よりも燃費性能が優れているのは、重量の差を考慮すれば大したものです。それでも高速道路モードの数字は僅差で負けています。スイフトにはマイルドハイブリッド車もあり、ほぼ同じ条件で燃費を比較できますが、平均で1km/Lくらいの差で、特に市街地モードでは2.2km/Lも差があるのに対し、高速道路モードでは0.3km/Lの差しかありません。Mazda 3のマイルドハイブリッドでは市街地モードよりも郊外モードの方が効果がありましたが、同じマイルドハイブリッドでどうしてこんなに違うのでしょう。モーターアシストをどこで使うかについての考え方の違いによるものでしょうか。

こうして見ると、Mazda 2のガソリンエンジン車は現状でもヤリス1.5L以外には負けておらず、国産Bセグメントのガソリンエンジン車としては平均的なレベルにあるようです。ヤリスの方が少し軽いですし、3気筒エンジンやCVTの方が燃費に有利とはいえ、ヤリス1.5Lの出来の良さが際立っています。できればヤリス1.5Lと同水準を目指したいものの、開発リソースと費用対効果の面で踏み切れないといったところでしょうか。

2022年8月4日木曜日

日本仕様のMazda 3とCX-30の2Lエンジンにマイルドハイブリッド

2022年8月4日にMazda 3とCX-30の年次改良で2Lエンジンにマイルドハイブリッドがつく旨のプレスリリースが発表されました。環境規制の厳しい欧州向けでは最初からマイルドハイブリッドがついていましたが、コストに厳しい日本向けでは今までマイルドハイブリッド無しで販売されていました。マイルドハイブリッドがつくことで少々値段が上がりますが、もともと日本向けモデルが値上げされている中で、2Lエンジンモデルにはマイルドハイブリッドがつきましたので、その分少々お値打ち感が出ています。

まだマイルドハイブリッド仕様に乗ったことがないのでどんな感じかわかりませんが、今までマイルドハイブリッド無しの2Lエンジン車に乗ってきて思うのは、2Lエンジン車の変速比と最終減速比がディーゼルエンジン車と同じですので、低回転でゆったり乗ろうとすると時折トルクの不足を感じます。モーターアシストによってトルクの谷間を埋めることができればもっと気持ちよく運転できるのではないでしょうか。特に2Lエンジン車は燃費が悪く、長距離を走ろうとすると残りの燃料を気にしながら燃費を稼ぐためにエンジン回転数を抑えて緩慢に走る必要があり、静かで快適である一方で、運転して楽しくありません。せっかくよくできた車なのに日本の道路とマッチしないせいで楽しく運転できないのはもったいないです。

WLTC燃費への効果については、欧州ではあるとされていて、日本ではあまりないとされてました。おそらく、欧州の方が速度域が高く、加速度も高めであることから、日本よりもアクセルを踏み込む場面が多いのではないでしょうか。一方、日本では速度も加速度も緩慢ですので、そこまでアクセルを踏まなくても運転できてしまいます。それでも、実燃費ベースで改善が見られるならばありがたいですし、その実燃費を我慢せずに得られるのでしたらなおありがたいです。

諸元データを見ると、WLTC燃費は平均値が15.6km/Lから16.4km/Lに向上しています。理屈からすれば、市街地では電力回生と発進時のモーターアシストが効く一方で、高速道路ではアクセルを踏みっぱなしですので効果が無いかと思いきや、意外と高速道路モードでも17.7km/Lから18.4km/Lに向上しています。変速時のトルクの抜けをモーターで補うことで巡航速度までの加速時間を短縮できているのでしょうか。

1.5Lエンジン車の燃費と比較すると、ほぼ互角にまで追いついてきました。さすがに市街地モードの燃費は1.5Lエンジン車に及びませんが、高速道路モードの数字は同じ、郊外モードでは逆転しています。ただし、Mazda 3の1.5LエンジンはMazda 2と異なり斜め渦燃焼の改良型ではなく従来型ですので、まだ伸びしろがあります。とはいえ、あまり数の出ないMazda 3の1.5Lエンジンにそこまで開発費をかける動機はなく、むしろ廉価版としたいのかもしれません。

Skyactiv-Xの燃費と比較すると、まだ1km/L程度の差がありますが、2Lエンジンにマイルドハイブリッドがついたことから、同じくマイルドハイブリッドのついているSkyactiv-Xと同じ条件で比較できるようになり、純粋のエンジンの差を比べることができるようになりました。70万円の価格差で燃費の差は約1km/L。Xはハイオク推奨ですので燃料代はXの方がかかります。あとは走りの差です。燃費目当てでXを買う人はいないでしょうが、燃費≒二酸化炭素排出量ですので環境規制対応では重要です。実際、環境規制の厳しい欧州ではXに誘導するような値付けをしています。日本市場ではそこまで環境規制が厳しくないことから、ひとまず売れ筋の2Lエンジン車の燃費を底上げしたのでしょう。

よくわからないのは、2LエンジンでJC08モード燃費の表示が復活していることです。競合最近のマツダ車はすべてWLTC表示ですので、他社の車との比較のためでしょうか。

マイルドハイブリッドを搭載した結果、重量が20kg増えています。ディーゼルエンジン車との重量差が40kgまで縮まりました。